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当科は非血縁者間骨髄移植・採取認定施設です

順天堂大学 医学部附属 順天堂医院 血液内科


6年生 卒業試験

 
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卒業試験 血液内科 臨床実地問題

○
13.  64歳の男性。食欲不振、口渇を訴えて来院。意識レベルの低下が認められた。赤血球290万、Hb 7.6 g/dl、白血球 37,000、血小板 9万、LDH 1740(基準119-221)。写真(8)に示す細胞が末梢血中に多数認められた。本症について正しいものはどれか。
写真(8)
参考写真
解答形式:A 正答 →
a 化学療法によく反応し、比較的予後良好な疾患である。
b 腫瘍細胞はBリンパ球である。
c EBウイルス感染が原因である。
d しばしば低ナトリウム血症を呈する。
e しばしば皮疹を伴う。
キーワード:成人T細胞白血病(ATL)、flower cell、LDH
領域:臨床実地
Taxonomy:問題解釈型
難易度:平易
必要度:重要
解説:写真は核のくびれが目立つ細胞(flower cell)を示し、成人T細胞白血病(ATL)が疑われる。ATLはHTLV-Iウイルスが原因であり、しばしば皮膚病変や高Ca血症による口渇、意識障害を合併する。末梢血に少数の異常リンパ球が出現するだけのくすぶり型や慢性型は比較的長期間生存することもあるが、本例のように白血球数、LDH高値でflower cellが認められる急性型の予後は極めて不良である。
○
14.  77歳の男性。動悸、息切れに加え、最近になって全身のリンパ節腫大が目立つ様になったために受診。Hb 8 g/dl、白血球 5万、血小板 12万。末梢血では写真(9)に示す細胞が全体の約80 % を占めていた。この疾患でみられる所見はどれか。2つ選べ。
写真(9)
写真(9)
解答形式:X(2) 正答 →
a 好中球アルカリホスファターゼ(NAP)スコア低値
b 皮疹
c 溶血性貧血の合併
d 血清リゾチーム高値
e 免疫グロブリン低値
キーワード:慢性リンパ性白血病、動悸、息切れ、全身のリンパ節腫大、溶血性貧血、免疫グロブリン
領域:臨床実地
Taxonomy:問題解釈型
難易度:中等
必要度:重要
解説:写真は成熟リンパ球様の白血病細胞を示し、慢性リンパ性白血病が考えられる。したがってc、e が正解である。NAP score低値は慢性骨髄性白血病、血清リゾチーム高値は単球性白血病で認められる。
○
15. 68歳の男性。1年前から食後に腹部膨満感があり、健康診断で血球増多を指摘されて来院。肝臓 2 横指、脾 3横指触知、表在リンパ節腫脹なし。Hb 16 g/dl、白血球 15000(骨髄球 1、後骨髄球 3、桿状核 20、分節核 42、好酸球 3、好塩基球 1、単球 10、リンパ球 20 %)、血小板 60万。診断確定上重要な検査を2つ選べ。
解答形式:X(2) 正答 →
a ビタミンB12値
b NAPスコア
c 白血球表面マーカー検査
d エリスロポエチン値
e 骨髄細胞染色体分析
キーワード:骨髄増殖性疾患、腹部膨満感、血球増多、肝脾腫、ビタミンB12、NAPスコア、染色体分析
領域:臨床実地
Taxonomy:問題解釈型
難易度:中等
必要度:重要
解説:血球増多、肝脾腫から骨髄増殖性疾患が疑われ、まず慢性骨髄性白血病を除外する必要がある。したがってb、eが正解である。ビタミンB12高値はいずれの疾患においても認められる。
○
16. 68歳女性。発熱、体重減少、黒色便、左頚部腫瘤を主訴に来院。体温37.3℃、左鎖骨上窩(胸鎖乳突筋の鎖骨起始部付近)に3cm大の硬いリンパ節(弾力性、圧痛、可動性なし)、肝 2横指触知。Hb 9 g/dl、白血球 9800(後骨髄球2 、桿状核 19 %、分節核 35 %、単球14 %、リンパ球30 %)、血小板10万、GOT 60 IU/l、GPT 70 IU/l、総ビリルビン 1.2 mg/dl、ALP 400 IU/l (基準110-348)、LDH 300 IU/l(基準119-221)、BUN 15 mg/dl、Cr 0.8 mg/dl、CRP 1.2 mg/dl。胸腹部X線で異常は認められなかった。迅速に診断を確定するために、リンパ節生検の他に検査すべきものはどれか。2つ選べ。
解答形式:X(2) 正答 →
a 可溶性IL-2レセプター値の測定
b 上部消化管検査
c 胸部CT検査
d 腹部CT検査
e 肝生検
キーワード:リンパ節腫脹、Virchowのリンパ節腫脹、リンパ節生検、癌性リンパ節症
領域:臨床実地
Taxonomy:問題解決型
難易度:平易
必要性:重要
解説:Virchowのリンパ節を触知した場合、消化器系悪性腫瘍の転移を疑う。黒色便がみられることから、上部消化管の検索や腹腔内の画像検査を行う必要がある。可溶性IL-2レセプターは悪性リンパ腫の治療のモニタリングには有用であるが、膠原病、血球貪食症候群などでも高値を示す非特異的検査である。
○
17. 66歳男性。発熱、腹部腫瘤を主訴に来院。Performance statusは1。体温38.2 ℃。眼瞼結膜に軽度の貧血を認める。両側頚部、腋下、鼠径部に2 cm大のリンパ節を多数、臍部に10 cm大の境界不鮮明な腫瘤を触知。肝脾腫なし。ヘモグロビン 11 g/dl、白血球 3400、血小板 25万、LDH 750 IU/l (基準値119-221)、可溶性IL-2レセプター 5600 U/ml (基準値190-650)。ガリウムシンチグラフィー、CT検査で両側頚部、腋下、鼠径リンパ節腫脹および縦隔、肺門、腹腔内に病変を認めた。腹部造影CT検査所見を写真(10)、上腸間膜動脈周囲リンパ節生検の病理組織所見を写真 (11) に示す。本症例について正しいものはどれか。
写真(10)
参考写真
写真 (11)
参考写真
解答形式:A 正答 →
a 臨床病期はIVBである。
b 組織像はBurkittリンパ腫を示す。
c 国際予後指数(International Prognostic Index: IPI) はhigh-intermediate riskである。
d ただちに化学療法を開始するべきである。
e 化学療法により腫瘤の縮小が得られたならば、迅速に同種末梢血造血幹細胞移植を行うべきである。
キーワード:悪性リンパ腫、臨床病期、国際予後指数(IPI)、領域:臨床実地
Taxonomy:問題解釈型
難易度:中等
必要性:重要
解説:組織像は大型で核に変形のあるリンパ球がびまんに増殖しており、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫が考えられる。これに対しBurkitt リンパ腫では、中等大でほぼ均一な細胞がびまん性に増殖し、核分裂像に富み、starry sky像が目立つ。臨床病期確定には骨髄検査が必須であり、緊急性がない限り検査を待たずに化学療法を施行すべきではない。臨床病期は少なくともIIIB以上であり、IPIは年齢、LDH、臨床病期が該当し、high-intermediate riskである。同種移植の適応は、年齢、化学療法に対する感受性などを考慮して決定するべきであり、現段階では確定できない。
○
18.  48歳女性。健康診断でリンパ節腫脹を指摘され近医を受診したところ、消炎鎮痛剤と抗生物質を投与されたが改善しなかったため来院。3 cmまでのリンパ節を両側頚部、腋下、鼠径部に多数触知。生検した頸部リンパ節の病理組織像を写真(12)に示す。本症例について誤りはどれか。2つ選べ。
写真(12)
参考写真
解答形式:X(2) 正答 →
a 細胞がびまん性に増殖している。
b 濾胞構造が明瞭である。
c rituximabが有効である。
d ABVD療法が有効である。
e 化学療法による寛解後5年経過しても、生存曲線はプラトーに達しにくい。
キーワード:悪性リンパ腫、染色体、濾胞性リンパ腫
領域:臨床実地
Taxonomy:問題解釈型
難易度:中等度
必要度:重要
解説:病理組織像は濾胞性の細胞増殖パターンを示しており、濾胞性リンパ腫と診断される。濾胞性リンパ腫はB細胞性由来でCD20が陽性のためrituximabのよい適応となる。低悪性度であるが再発しやすく、通常の化学療法では根治は難しい。ABVD療法はHodgkinリンパ腫に対する治療法である。
○
19.  60歳男性。発熱と鼻閉感、鼻出血を主訴に来院。体温39.6 ℃、頚部に2 cm大の弾性硬のリンパ節を触知。肝臓2 cm、脾臓5 cm 触知。鼻腔内腫瘤生検の押捺標本のライト・ギムザ染色標本で目だつ細胞を写真 (13) に示す。本症例について正しいものはどれか。2つ選べ。
写真 (13)
参考写真
解答形式:X(2) 正答 →
a 化学療法によく反応し、比較的予後良好である。
b マクロファージが活性化している。
c 汎血球減少を呈することはまれである。
d 血清フェリチン値は低値を示す。 
e インターフェロンγ、TNF-αなどのサイトカインが病態に関与している。
キーワード:血球貪食症候群、悪性リンパ腫、領域:臨床実地
Taxonomy:問題解釈型
難易度:中等
必要性:重要
解説:鼻型NK細胞リンパ腫に合併した血球貪食症候群の症例であり、化学療法に対する反応性に乏しく予後不良である。高フェリチン血症の他にIFN-γ、TNF-αなどのサイトカインの分泌が亢進してマクロファージが活性化され、活発な血球貪食のために汎血球減少を呈する。血球貪食症候群は悪性リンパ腫の他、感染症、膠原病などにも合併する。
○
20. 63 歳女性。意識障害のために救急車で来院。意識レベル 20、体温38.5 ℃、血圧 120/90 mmHg、脈拍 90/分、整。家族の話では患者は慢性的な腰痛に悩まされ、ここ2週間程口渇、倦怠感を訴えていたという。左肺野にラ音を聴取。表在リンパ節、肝脾は触知せず。Hb 8.5 g/dl、白血球3800、血小板12万。TP 8.6 mg/dl、BUN 28 mg/dl、Cr 1.25 mg/dl、Na 130 mmol/l、K 4.0 mmol/l、Cl 105 mmol/l、Ca 14 mg/dl、CRP 6.0 mg/dl、IgG 230 mg/dl (基準870-1700)、IgA 3200 mg/dl (基準110-410)、IgM 20 mg/dl(基準46-260)。胸部X線写真で左中~下肺野に浸潤影を認めた。骨髄検査では写真(14)に示す細胞が有核細胞の60 % を占めていた。最初に行う処置として適切なものはどれか。 2つ選べ。
写真(14)
解答形式:X(2) 正答 →
a 生理的食塩水の輸液と抗生剤、γ-グロブリン製剤の投与
b ビンクリスチン、ドキソルビシン、デキサメサゾン併用投与(VAD療法)
c メルファラン、プレドニゾロン併用投与(MP療法)
d 腰椎穿刺とメトトレキサートの髄腔内投与
e カルシトニンとビスホスホネート製剤の投与
キーワード:多発性骨髄腫、高カルシウム血症、免疫不全状態の感染症
領域:臨床実地
Taxonomy:問題解決型
難易度:やや難
必要度:中程度
解説:骨髄中には異形性のある形質細胞が多数認められ、IgA高値、IgG、IgMは低値を示していることから、多発性骨髄腫と診断され、高カルシウム血症による意識障害と肺炎を合併していると考えられる。したがって高カルシウム血症と感染症の治療を最優先し、感染症のコントロールができるまで化学療法は避けるべきである。
○
21. 50歳女性。大腸癌の術前の凝固系検査で異常が認められ、血液内科を受診。Hb 10 g/dL、白血球 5000、血小板 30 万、プロトロンビン時間(PT)16 秒(基準 9-13)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT) 70 秒(基準25-45)、フィブリノゲン300 mg/dL(基準150-400)、FDP 10 μg/mL 以下(基準10 以下)、出血時間4分(基準1-5)。混合補正試験(正常血漿と緩衝液または患者血漿を1:1に混合し、37 ℃で2時間インキュベーション後、PT およびAPTTを測定)を行ったところ、以下の結果を得た。
    PT(秒) APTT(秒)
A. 正常血漿     11 35
B. 患者血漿     16 70
C. 正常血漿+緩衝液   13 50
D. 正常血漿+患者血漿  15 60

考えられる病態はどれか。2つ選べ。
解答形式;X(2) 正答 →
a フィブリノゲン、プロトロンビン、V、または X 因子活性の低下  
b VII因子活性の低下
c XII、XI、IX、またはVIII 因子活性の低下  
d 凝固因子の産生低下
e 凝固因子に対する抗体(循環抗凝血素、インヒビター)
キーワード:プロトロンビン時間(PT)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)、混合補正試験、循環抗凝血素(インヒビター)
領域:臨床実地
Taxonomy:問題解釈型
難易度:中等度
必要性:重要
解説:PTとAPTTの両方が延長しており共通経路の異常が考えられるが、混合補正試験のPTとAPTTをみると、CよりもDが延長していることから、抗体(循環抗凝血素、インヒビター)が考えられる。
○
22. 35 才女性。労作時の息切れと四肢の紫斑を主訴に来院。身体所見では貧血と四肢の紫斑以外に異常なし。赤血球 370 万、Hb 7 g/dl、Ht 23 %、網赤血球 1 %、白血球 8000(分画異常なし)、血小板 1 万、プロトロンビン時間(PT)12秒(基準9-13)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT) 40 秒(基準25-45)。骨髄検査では赤芽球が軽度増加している以外に異常を認めなかった。適切な治療法はどれか。2つ選べ。
解答形式:X(2) 正答 →
a 鉄剤の投与
b プレドニゾロンの投与
c アザチプリンの投与
d シクロスポリンの投与
e 脾摘
キーワード:特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、鉄欠乏性貧血、鉄剤、プレドニゾロン
領域:臨床実地
Taxonomy:問題解決型
難易度:中等
必要性:重要
解説:若い女性が小球性低色素性貧血と血小板減少を合併しており、骨髄で明らかな異常所見がないことから、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)と鉄欠乏性貧血の合併が考えられる。したがって治療としてはaとbになる。脾摘はプレドニゾロンに反応しない場合や、少量でも血小板数が維持できない場合に行う。
○
23. 30 才、女性。肺動脈血栓症のために緊急入院した。これまでに3 回の流早産歴があるという。Hb 11 g/dL、白血球 6000、血小板 7 万、プロトロンビン時間(PT)12秒(基準 9-13)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT) 60 秒(基準 25-45)、フィブリノゲン 300 mg/dL(基準 150-400)、FDP 20 mg/mL(基準 10 以下)。次に何を検査すべきか。2つ選べ。
解答形式:X(2)型 正答 →
a プロテインCおよびS活性
b アンチトロンビンIII活性
c 血小板凝集能
d ループスアンチコアグラント
e 抗カルジオリピン抗体
キーワード:抗リン脂質抗体症候群、ループスアンチコアグラント、APTT
領域:臨床実地
Taxonomy:問題解決型
難易度:中等
必要性:重要
解説:習慣性流早産、血小板減少、血栓症、APTT 延長から、抗リン脂質抗体症候群が疑われる。
○
24. 18 才女性。1週間前から感冒様症状があったが、2日前から下肢の出血斑、腹痛、膝および足関節痛が出現したため来院した。体温 37.8 ? C、 両側下腿に紫斑、臍部から左下腹部にかけて圧痛を認める。Hb 11 g/dl、白血球 9000、血小板 35万。プロトロンビン時間(PT)11 秒(基準 9-13)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT) 35 秒(基準 25-45)、出血時間 3 分 (基準 1-5)。尿潜血(+)、便潜血(+)。考えられる疾患はどれか。
解答形式:A 正答 →
a 遺伝性出血性末梢血管拡張症(Osler病)
b 壊血病
c アミロイドーシス
d アレルギー性 (Schonlein-Henoch) 紫斑病
e 単純性紫斑病
領域:実地
キーワード:血管性紫斑病、アレルギー性 (Schonlein-Henoch) 紫斑病
Taxonomy:問題解釈型
難易度:平易
必要度:重要
解説:典型的なアレルギー性 (Schonlein-Henoch) 紫斑病の病像である。一般に血管性紫斑病では凝固学的検査に異常を認めない。
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