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当科は非血縁者間骨髄移植・採取認定施設です

順天堂大学 医学部附属 順天堂医院 血液内科


6年生 卒業試験

 
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卒業試験 血液内科 臨床実地問題

○
1. 50歳男性。労作時の息切れを主訴に来院。赤血球 280万、Hb 8.0 g/dl、Ht 25 %、網赤血球 0.1 %、白血球4500(分画異常なし)、血小板 35 万。 骨髄検査の他に検査すべき項目はどれか。2つ選べ。
解答形式:X(2) 正答 →
a 胸部CT
b 腹部CT
c サイトメガロウイルス抗体価
d EBウイルス抗体価
e パルボウイルスB19抗体価
  解説:白血球数、血小板数は正常であるが、貧血、網赤血球の減少があることから赤芽球癆が考えられる。本症の約半数は胸腺腫を合併し、パルボウイルスB19は急性型の原因となる。
○
2. 40歳男性。めまい、労作時息切れを主訴に来院。眼瞼結膜貧血様、胸骨左縁第 2-4 肋間に収縮期雑音を聴取する(Levine 2度)。赤血球数 350 万、Ht 25 %、Hb 6.6 g/dl、網赤血球 1 %、白血球 5000、血小板 40 万。診断上重要な検査はどれか。2つ選べ。
解答形式:X(2) 正答 →
a 血清鉄、総鉄結合能の測定
b 血清ビタミンB12、葉酸の測定
c 上部および下部消化管バリウム検査
d 腹部超音波
e 骨髄穿刺
キーワード:鉄欠乏性貧血
領域:臨床実地
Taxonomy:問題解釈型
難易度:中等度
必要性:重要
解説:MCV= 71、MCHC = 26で小球性低色素性貧血であることから、まず鉄欠乏性貧血を考える。鉄欠乏性貧血の原因の大半は慢性出血(消化管出血、女性性器出血)である。
○
3.  60歳の男性。鼻出血、動悸を主訴として来院。赤血球 170万、Hb 5,1 g/dl、Ht 16 %、網赤血球 1 %、白血球 2000(好中球 30 %、好酸球 1 %,単球 10 %,リンパ球 59 %)、血小板 0.5 万。骨髄生検の病理組織標本を写真(4)に示す。最初に試みるべき治療法はどれか。
写真(4)
参考写真
解答形式:A 正答 →
a メチルプレドニゾロンパルス療法
b 蛋白同化ホルモンの投与
c 鉄剤の投与
d 抗胸腺細胞グロブリン(ATG)、シクロスポリン併用投与
e 同種造血幹細胞移植
キーワード:汎血球減少症、再生不良性貧血、抗胸腺細胞グロブリン(ATG)、シクロスポリン
領域:臨床実地
Taxonomy:問題解釈型
難易度:平易
必要性:重要
解説:汎血球減少症、骨髄所見(低形成骨髄)より再生不良性貧血と診断される。重症型の再生不良性貧血の第一選択の治療は抗胸腺細胞グロブリン(ATG)とシクロスポリンの併用療法の他に造血幹細胞移植があるが、一般に高齢者の移植成績は不良であり、移植は若年者に対し行われる。
○
4.  40 歳の女性。易疲労感、労作時息切れを主訴に来院。赤血球数 250万、Hb 8.5 g/dl、Ht 27 %、網赤血球1 %、白血球数 5500 (分画に異常なし)、血小板18万。骨髄塗沫標本を写真(5)に示す。異常値を示すことが予想されるものはどれか。2つ選べ。
写真(5)
参考写真
解答形式:X(2) 正答 →
a 血清鉄
b フェリチン
c ビタミン B6
d ビタミン B12
e 葉酸
キーワード:悪性貧血、葉酸欠乏性貧血、ビタミンB12 、葉酸
領域:臨床実地
Taxonomy:問題解釈型
難易度:平易
必要性:重要
解説:大球性貧血(MCV = 108)から、悪性貧血、ビタミンB12 または葉酸欠乏性貧血を考える。
○
5. 18歳女性。2か月前から動悸、息切れがあり、3 日前に眼球の黄染に気づき来院。脾を1横指触れる。赤血球170万、Hb 5,5g/dl、Ht 17 %、網赤血球 10 %、白血球 9000、血小板 30 万。総ビリルビン 2.5 mg/dl(直接型0.5 mg/dl)、LDH 800 IU/l(基準 119-221)、直接および間接Coombs試験陽性。適切な治療法はどれか。
解答形式:A 正答 →
a プレドニゾロン投与
b アザチオプリン投与
c シクロホスファミド投与
d シクロスポリン投与
e 脾摘
キーワード:自己免疫性溶血性貧血、Coombs試験、ビリルビン、LDH
領域:臨床実地
Taxonomy:問題解決型
難易度:平易
必要性:重要
解説:自己免疫性溶血性貧血であり、まずプレドニゾロンを投与する。
○
6. 16 歳男性。1週間前に 38 ゜Cの発熱を伴う感冒様症状があり、近医で鎮痛解熱剤と抗生物質の投与を受けた。しかし2 日前から全身倦怠感が増強し、尿もコーラ色となったため受診した。赤血球 300 万、Hb 9 g/dl、Ht 27 %、網赤血球 5 %、白血球 6000、血小板 30 万。母方の兄弟4人中(叔父 2人、叔母 2人)叔父2人と、兄弟3人(兄と妹1人)のうち兄が貧血と言われている。考えられる疾患はどれか。
解答形式:A 正答 →
a 発作性夜間血色素尿症( PNH )
b Fanconi 貧血
c メトヘモグロビン血症
d グルコース-6-リン酸脱水素酵素( G6PD )異常症
e ピルビン酸キナーゼ( PK )異常症
キーワード:遺伝性溶血性貧血、グルコース-6-リン酸脱水素酵素( G6PD )異常症
領域:臨床実地
Taxonomy:問題解決型
難易度:中等
必要性:重要
解説:溶血性貧血があり、家族歴は伴性劣性遺伝を示唆することからdが考えられる。eは常染色体劣性遺伝を示す。
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7. 40歳女性。コーラ色の早朝尿、労作時息切れを主訴に来院した。 RBC 180 万、Hb 7.0 g/dl、網赤血球12 %、白血球 2000、血小板 5 万、LDH 1000 IU/l(基準 119-221)、総ビリルビン 2.8 mg/dl(直接型 0.7 mg/dl)、Ham 試験および ショ糖試験陽性。 この疾患について誤りはどれか。
解答形式:A 正答 →
a 造血幹細胞の先天異常が原因である。
b PIG-A遺伝子に異常がみられる。
c 再生不良性貧血との間で相互に移行することがある。
d 感染症や血栓症を合併することがある。
e 好中球アルカリホスファターゼ値は低値を示す。
キーワード:発作性夜間血色素尿症(PNH)、Ham 試験、ショ糖試験、PIG-A遺伝子、好中球アルカリホスファターゼ
領域:臨床実地
Taxonomy:問題解釈型
難易度:中等
必要性:重要
解説:溶血性貧血でコーラ色の早朝尿、Ham 試験および ショ糖試験陽性から、発作性夜間血色素尿症と診断される。造血幹細胞レベルでの後天的異常、すなわちPIG-A遺伝子の異常によるGPIアンカー蛋白の合成障害が原因と考えられる。 
○
8. 18歳の女性。39 ℃の発熱を訴えて来院。両側頚部に1.5 cmまでの圧痛が強いリンパ節を数個触知、咽頭発赤著明。Hb 11 g/dl、白血球 1万、血小板 25万。次に行うべき検査、処置はどれか。
解答形式:A 正答 →
a 末梢血塗抹標本を観察する。
b 骨髄穿刺を行う。
c リンパ節生検を行う。
d 咽頭および血液培養後、アンピシリンを投与する。
e 全身ガリウムシンチを行う。
キーワード:伝染性単核球症、リンパ節腫脹、発熱、咽頭発赤
領域:必須
Taxonomy:問題解決型
難易度:容易
必要度:重要
解説:若い女性が圧痛を伴う頚部のリンパ節腫脹、発熱を訴えており、EBウイルス感染による伝染性単核球症が疑われる。したがってまず末梢血中に異型リンパ球が存在するかどうかを観察する必要があり、すぐにリンパ節生検やガリウムシンチを行うべきではない。また伝染性単核球症では、アンピシリン投与は高頻度に皮疹を誘発するので禁忌である。
○
9. 60歳の女性。Hb 8 g/dl、白血球 1,900、血小板 4万。骨髄塗抹標本では2分葉の核を示したり、顆粒の乏しい好中球の他に、巨赤芽球、小型円形の巨核球が認められたが、葉酸、ビタミンB12値は正常であった。本症例について正しいものはどれか。
解答形式:A 正答 →
a 肝脾腫を伴うことが多い。
b リンパ節腫脹を伴うことが多い。
c 骨髄は正または過形成を示すことが多い。
d 化学療法が有効である。
e 同種造血幹細胞移植の適応である。
キーワード:骨髄異形成症候群(MDS)、2分葉核好中球、顆粒の乏しい好中球、巨赤芽球、小型円形の巨核球(micromegakaryocyte)
領域:一般
Taxonomy:問題解釈型
難易度:平易
必要度:重要
解説:高齢者の汎血球減少で血球に異形性があれば、まず骨髄異形成症候群(MDS)を考える。肝脾腫を伴うことが多いのは骨髄増殖性疾患である。MDSに対し化学療法の有効性は乏しく、唯一の根治的治療法は同種造血幹細胞移植であるが、重症度と年齢を考えると適応ではない。
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10.  33歳の男性。近医から急性白血病を疑われて受診し、即日入院。写真(6)に骨髄塗抹標本を示す。ペルオキシダーゼ染色は陰性、染色体検査でt(9;22)が認められた。化学療法後の第一寛解期に兄からの骨髄移植を行ったところ、移植後5日目に発熱 (38 ℃)、体重増加(移植前 60 kg → 68 kg)、肝腫大(2横指、圧痛あり)、腹水、黄疸を認めた。赤血球220 万、Hb 7 g/dl、網赤血球 0.5 %、白血球 1000(好中球 10 %、単球 2 %、リンパ球 88 %)、血小板 2万(前日に赤血球輸血、血小板輸血を施行している)、GOT 50 IU/l、GPT 60 IU/l、総ビリルビン 2 mg/dl(直接型1.5 mg/dl)、ALP 500 IU/l (基準110-348)、LDH 300 IU/l(基準119-221)、BUN 20 mg/dl、Cr 0.9 mg/dl、CRP 6.0 mg/dl。考えられる病態はどれか。
写真(6)
参考写真
解答形式:A 正答 →
a 生着不全
b 急性GVHD
c 慢性GVHD
d 肝静脈閉塞症(VOD)
e 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
キーワード:肝静脈閉塞症(VOD)、体重増加、肝腫、腹水、黄疸
領域:臨床実地
Taxonomy:問題解釈型
難易度:中等
必要度:重要
解説:原疾患はPh陽性急性白血病または慢性骨髄性白血病急性転化であり、同種移植後5日目に体重増加、肝腫大、腹水、黄疸が認められたことからVODが考えられる。
○
11. 40歳女性。急性骨髄性白血病(MO)に対し化学療法施行後、第一寛解期に妹からの骨髄移植を行って生着したため、シクロスポリンを漸減中であったが、移植後50日目になって38 ℃の発熱、全身性の皮疹(小丘疹および紅斑)、下痢(1日約 2 L)、黄疸、肝腫大(1横指)を認めた。ヘモグロビン 9 g/dl、白血球数 3000(好中球 50 %、単球 10 %、好酸球 3 %、リンパ球 37 %)、血小板 10 万、GOT 50 IU/l、GPT 60 IU/l、総ビリルビン 5 mg/dl、ALP 500 IU/l (基準110-348)、LDH 400 IU/l(基準119-221)、BUN 15 mg/dl、Cr 0.8 mg/dl、CRP 8.0 mg/dl。 皮膚生検を行ったところ、上皮細胞のアポトーシスとその周囲にリンパ球を中心とする細胞浸潤が認められた。適切な処置はどれか。2つ選べ。
解答形式:X(2) 正答 →
a ステロイド投与
b シクロスポリン減量
c シクロスポリン増量
d ヘパリンまたは組織プラスミンアクチベーターの投与
e 血漿交換
キーワード:骨髄移植、急性GVHD、シクロスポリン、ステロイド
領域:臨床実地
Taxonomy:問題解決型
難易度:中等
必要度:重要
解説:同種移植後50日に皮疹、下痢、黄疸を認め、皮膚生検の病理所見から、急性GVHD(グレードIII以上)と診断される。ヘパリン、組織プラスミンアクチベーターの投与はVODに対し行われることがある。
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12.  33歳の男性。発熱、激しい頭痛と鼻出血を訴えて来院した。口腔粘膜出血、四肢に紫斑を多数認める。Hb 7 g/dl、白血球 1万、血小板 1万、プロトロンビン時間(PT)16 秒(基準9-13)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT) 70 秒(基準25-45)、フィブリノゲン100 mg/dl(基準150-400)、FDP 60 μg/ml(基準10 以下)。骨髄は過形成を呈しており、塗抹標本を写真(7)に示す。適切な治療法はどれか。2つ選べ。
写真(7)
参考写真
解答形式:X(2) 正答 →
a ATRA(レチノイン酸)投与
b ATRA(レチノイン酸)、アントラサイクリン、シタラビン(Ara-C)併用療法
c ATRA(レチノイン酸)、プレドニン、ビンクリスチン併用療法
d 血小板輸血
e ヘパリン投与
キーワード:急性前骨髄球性白血病(APL; M3)、鼻出血、紫斑、頭痛、DIC、ATRA(レチノイン酸)、アントラサイクリン、シタラビン(Ara-C)
領域:臨床実地
Taxonomy:問題解決型
難易度:やや難
必要度:重要
解説:写真はアズール顆粒を多数含み急性前骨髄球性白血病(APL、AML; M3)に特徴的な白血病細胞を示す。DICを合併しているが激しい頭痛を訴えていることから、まず脳出血を想定する。したがってeは禁忌であり、白血病に対する治療法としては、白血球数が多くATRA単独ではさらに白血球数が増加するためbが正解である。プレドニン、ビンクリスチン併用療法は急性リンパ性白血病などのリンパ系腫瘍に対して用いられる。
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