 | 13.
68歳男性。姉が2年前に急性白血病で亡くなっている。発熱、呼吸困難のため来院した。体温38.2 _C、呼吸数32回/分。体幹、背部、四肢近位側に紅斑と腫瘤を多数認め、両側頚部、腋窩、両側鼠径部にリンパ節(最大
3 cm)を多数触知する。両側肺にcoarse crackleを聴取。白血球数 12600/μl(好中球40%、リンパ球55%、核にくびれや切れ込みを有する異型リンパ球を多数認める)。Hb
12.7 g/dl、血小板数16万/μl、LDH 900 IU/l (基準280-510)、Ca 11 mg/dl、CRP 20.3 mg/dl (基準値0.3以下)、β-D-グルカン
324.2 pg/ml (基準20.0以下)。可溶性インターロイキン2レセプター 8200 U/ml (基準220-530)、胸部X線では両肺野にびまん性スリガラス様陰影を認めた。本症例で正しいものはどれか。2つ選べ。 |  |
 |
 |
| a | 母乳よるウイルス感染が発症原因と考えられる。 |
| b | 血清PTHは高値である。 |
| c | 直ちに抗癌剤による治療を行う。 |
| d | 直ちにアンホテリシン
Bの投与を行う。 | | e | 直ちにST合剤の投与を行う。 |
キーワード:成人T細胞白血病・リンパ腫、免疫不全症、カリニ肺炎 領域:臨床実地 Taxonomy:問題解決型 難易度:中等等
必要性:重要 | 解説:母乳からのHTLV-1感染症により発症した成人T細胞白血病・リンパ腫
(ATLL)で、カリニ肺炎を合併していると考えられる。全身状態とATLLの病勢をみながら治療方針を決定する必要があり、重症感染症を合併している際には、まずそのコントロールを行うべきで、第1にST合剤を投与する。ATLLでは進行期にはPTHrPなどにより高Ca血症をきたし、PTHの分泌は抑制される。 |
| |  |
 | 14.
47歳の男性。3週間前から感冒様症状が続き、最近39_Cを超える発熱を認めたため近医で血液検査を行ったところ、Hb 6.7 g/dl、白血球 14,500、血小板
6.2万であったため来院。骨髄塗抹標本を写真(7)に示す。標本に認められる細胞はペルオキシダーゼ染色陽性であった。この疾患について正しいものはどれか。
 |
| (写真7) | |  |
 |
 |
| a | t(15;17)陽性 |
| b | CD13および33陽性 |
| c | CD19および20陽性 |
| d | 血清リゾチーム値高値 |
| e | レチノイン酸が有効 |
キーワード:発熱、ペルオキシダーゼ染色、CD13、CD33癆 領域:臨床実地 Toxonomy:問題解釈型 難易度:中等 必要性:重要 |
解説:写真は分化傾向の乏しい白血病細胞を示しており、ペルオキシダーゼ染色陽性であることから急性骨髄性白血病(M1)と診断される。t(15;17)陽性でレチノイン酸が有効なものは急性前骨髄球性白血病(M3)であり、血清リゾチーム値は、M4、M5の単球性白血病で増加する。CD19、CD20はB細胞の表面マーカーであって、B細胞の腫瘍で陽性となる。 |
| |  |
 | 15.
32歳の女性。月経が止まらず、さらに鼻出血も出現したため、産婦人科より紹介されて受診した。Hb 8.4 g/dl、白血球 1,700、血小板 3.7万。骨髄塗抹標本を写真(8)に示す。この疾患でみられる所見を2つ選べ。
 |
| (写真8) | |  |
 |
 |
| a | t(8;14)
| | b | t(8;21)
| | c | t(15;17)
| | d | inv(16)
| | e | DICの合併 |
キーワード:急性前骨髄球性白血病(APL;
M3)、DIC 領域:臨床実施 Toxonomy:問題解釈型 難易度:中等 必要性:重要 |
解説:汎血球減少を呈し、骨髄では、粗大なアズール顆粒を多数含む急性前骨髄球性白血病(APL; M3)に特徴的な細胞を認める。t(8;14)は急性リンパ性白血病(ALL,
L3)およびBurkittリンパ腫、t(8;21)はAML, M2、inv(16)(16番染色体の腕間逆位)は好酸球増加を伴うM4(M4Eo)でみられる。 |
| |  |
 | 16.
54歳の男性。6か月前から両側頚部のリンパ節腫脹に気付いていた。当科受診時、2 cmまでの全身のリンパ節腫脹あり、肝1 cm、脾3 cm触知。Hb 9.7
g/dl、白血球 38,000、血小板 5万。末梢血中には多数の成熟リンパ球を認めた。この疾患について正しいものはどれか。2つ選べ。 |  |
 |
 |
| a | 急性白血病に進展することが多い。 |
| b | しばしば自己抗体の産生が認められる。 |
| c | 白血球数と予後が相関する。 |
| d | 感染症による死亡が多い。 |
| e | しばしば高カルシウム血症を合併する。 |
キーワード:慢性リンパ性白血病、リンパ節腫脹、肝脾腫 領域:臨床実地 Taxonomy:問題解釈型 難易度:中等 必要性:重要 |
解説:全身のリンパ節の腫脹、肝脾腫、成熟リンパ球の著増から慢性リンパ性白血病と考えられる。急性白血病様の病態に進展するのは慢性骨髄性白血病であり、慢性リンパ性白血病ではまれである。しばしば自己抗体の産生が認められ、自己免疫性溶血性貧血などを合併する。予後と相関するのはHbおよび血小板数である。しばしば高カルシウム血症を合併するのは成人T細胞白血病・リンパ腫(ATLL)である。 |
| |  |
 | 17.
16歳の女性。全身倦怠感、両側頚部の示指頭大までのリンパ節腫脹、38.6 _Cの発熱を主訴に来院。咽頭の発赤が著しく、赤血球435万、Hb 14.7 g/dl、白血球
15,800、血小板 19.7万。末梢血塗抹標本を写真(9)に示す。正しいものはどれか。
 |
| (写真9) | |  |
 |
 |
| a | しばしば肝機能障害を合併する。 |
| b | 咽頭炎に対してアンピシリンを投与する。 |
| c | DICを合併することが多い。 |
| d | 写真はBリンパ球と考えられる。 |
| e | 慢性化することは少ない。 |
キーワード:伝染性単核球症、全身倦怠感、リンパ節腫脹、発熱、咽頭発赤 領域:臨床実施 Toxonomy:問題解釈型 難易度:中等
必要性:重要 | 解説:写真は異型リンパ球(T細胞)を示す。若い人が全身倦怠感、両側頚部のリンパ節腫脹、発熱、咽頭の発赤を呈し、末梢血で異型リンパ球を認めることから、EBウイルス感染による伝染性単核球症が最も疑われる。しばしば肝機能障害を合併し、まれに慢性化する。DICの合併はほとんどなく、咽頭炎に対してアンピシリンを投与すると高頻度に皮疹を誘発するため投与してはならない。 |
| |  |
 | 18.
55歳女性。最近になって眼がかすんでよく見えなくなり、全身倦怠感、頭がぼーつとして一日中眠いため来院。示指大までの表在リンパ節を頚部、腋下、鼠径部に多数、肝1横指、脾2横指触知。Hb
9 g/dl、白血球5000、血小板5万、TP 14 g/dl、IgG 300 mg/dl(基準870-1700)、IgA 50 mg/dl(基準110-410)、
IgM 10000 mg/dl(基準33-190)。眼底所見を写真(10)に示す。以下の治療法の中で適切なものはどれか。
 |
| (写真10) |
|  |
 |
 |
| a | 赤血球輸血 |
| b | 血小板輸血 |
| c | シタラビン(Ara-C)の投与 |
| d | 脾摘 |
| e | 血漿交換 |
キーワード:原発性マクログロブリン血症、過粘度症候群 Taxonomy:問題解決型 難易度:中等 重要性:重要 |
解説:写真はうっ血乳頭、ソーセージ様に拡張した血管、および出血を示しており、過粘度症候群を合併した原発性マクログロブリン血症に特徴的な所見である。貧血、血小板減少は軽度であり、赤血球輸血や血小板輸血はさらに血液の粘調度を増加させ、脳血管障害を増悪させる可能性があるために行ってはならない。 |
| |  |
 | 19.
50歳男性。半年前から頭重感が出現し、最近になって増強したため来院。身体所見では顔面が赤黒く、脾臓を2 cm 触知。Hb 20 g/dL、白血球 12000、血小板
50 万、好中球アルカリホスファターゼ(NAP)スコア 300( 基準158-260 )、動脈血酸素飽和度 98 %、血清エリスロポエチン値正常。疑われる疾患はどれか。
|  |
 |
 |
| a | 慢性骨髄性白血病 |
| b | 骨髄異形性症候群 |
| c | 真性赤血球増加症 |
| d | 二次性赤血球増加症 |
| e | Gaisb_ck症候群(相対的赤血球増加症) |
キーワード:真性赤血球増加症、好中球アルカリホスファターゼ(NAP)スコア、脾腫 領域:臨床実施 Taxonomy:問題解釈型 難易度:平易
必要性:必須 |
解説:3系統すべての血液細胞が増加し脾腫を認めることから、骨髄増殖性疾患が考えられるが、赤血球(Hb)の増加が著しく、NAPスコアが高値であることから、真性赤血球増加症が疑われる。動脈血酸素飽和度、血清エリスロポエチン値が正常値であることから、二次性赤血球増加症は否定的である。 |
| |  |
 |
20. 60歳男性。10年前から高血圧症のため治療中であり、自覚症状は特にないが、2か月前の血液検査で血小板数の増加を指摘され来院。 Hb 16 g/dL、白血球
10000、血小板 200 万、骨髄は過形成で巨核球の増加が目立ち、染色体検査では正常核型を示した。適切な治療法はどれか。 |  |
 |
 |
| a | 経過観察 |
| b | 瀉血 |
| c | α-インターフェロンの投与 |
| d | ヒドロキシウレアの投与 |
| e | サリドマイドの投与 |
キーワード:血小板増加症、本態性血小板血症、ヒドロキシウレア 領域:一般 Taxonomy:問題解釈型 難易度:平易 必要性:重要 |
解説:100万を超える血小板増加症を認め、骨髄巨核球も増加しており、染色体検査は正常であることから、本態性血小板血症が考えられる。血小板数が 200 万と高値で、かつ高齢者で高血圧症を合併しているあることから血栓症の危険性が高いと考えられるので治療の対象となり、dが正解である。サリドマイドは多発性骨髄腫に有効である。 |
| |  |
 | 21.
26 才女性。2年前から過多月経、四肢の紫斑、動悸、めまいが出現し、1年前に受診。Hb 7 g/dl、血小板 1万で、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)および鉄欠乏性貧血と診断された。プレドニゾロンと鉄剤の投与を開始したところ、血小板数が10万まで増加し、貧血もHb
11 g/dlと改善した。その後プレドニゾロンの漸減とともに血小板数が徐々に減少し、現在10 mg/日であるが、血小板数は1万で、ふたたび過多月経、紫斑が出現するようになった。次に行う治療法として適切なものはどれか。 |  |
 |
 |
| a | プレドニゾロンの増量 |
| b | 免疫抑制剤の投与 |
| c | 蛋白同化ホルモンの投与 |
| d | 免疫グロブリン大量療法 |
| e | 脾摘 |
キーワード:特発性血小板減少性紫斑病、鉄欠乏性貧血、ステロイド、免疫抑制剤、蛋白同化ホルモン、免疫グロブリン大量療法、脾摘 領域:臨床実地
Taxonomy:問題解決型 難易度:中等度 必要度:重要 |
解説:ITPの第一選択の治療法はステロイドの投与であるが、副作用のために長期投与ができない、あるいは少量で血小板数を維持できない場合は脾摘の適応である。aは一時的に血小板数が増加する可能性があるが、プレドニゾロンを減量した場合、再び低下することが多い。dの効果も一時的であり、b、cは、通常脾摘無効例や脾摘後の再発に対して行われる。 |
| |  |
 | 22.
18 才男性。 3日前に抜歯したが出血が続くため来院。小児期から鼻出血を繰り返し、外傷、抜歯後の止血が困難であったという。Hb 13 g/dL、白血球 8000、血小板
30 万、プロトロンビン時間(PT)12秒(基準 9-13)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT) 60 秒(基準 25-45)、フィブリノゲン 300
mg/dL(基準 150-400)、出血時間10分(基準 1-5)。考えられる疾患はどれか。 |  |
 |
 |
| a | XII因子欠損症 |
| b | XI因子欠損症
| | c | 血友病
A | | d | 血友病
B | | e | von
Willebrand 病 |
キーワード:先天性凝固因子欠損症、PT、APTT、出血時間、von Willebrand 病 領域:臨床実地 Taxonomy:問題解釈型
難易度:平易 必要性:重要 |
解説:PT正常、APTT延長は、内因系凝固因子の低下を意味するが、同時に出血時間も延長していることから正解はeとなる。 | | |
 |
 | 23.
妊娠4か月の30歳女性。不正性器出血があり、凝固系検査で異常が認められたため受診。Hb 10 g/dL、白血球 8000、血小板 35 万、プロトロンビン時間(PT)12秒(基準
9-13)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT) 80 秒(基準 25-45)、フィブリノゲン 300 mg/dL(基準 150-400)、FDP
10 μg/mL 以下(基準 10 以下)、出血時間4分(基準 1-5)。混合補正試験(正常血漿と緩衝液または患者血漿を1:1に混合し、37 °C で2時間インキュベーション後、PT
およびAPTTを測定)を行ったところ、以下の結果を得た
| | PT(秒) | APTT(秒) |
| A. 正常血漿 | 11 | 35 |
| B. 患者血漿 | 12 | 80 |
| C. 正常血漿+緩衝液 | 15 | 60 |
| D. 正常血漿+患者血漿 | 11 | 70 |
考えられる疾患はどれか。2つ選べ。 |  |
 |
 |
| a | フィブリノゲン、プロトロンビン、V、またはX因子活性の低下 |
| b | VII因子活性の低下 |
| c | XI、IX、またはVIII
因子活性の低下 | | d | 凝固因子の産生低下 |
| e | 凝固因子に対する抗体(循環抗凝血素、インヒビター) |
キーワード:PT、APTT、循環抗凝血素(インヒビター)、混合補正試験 領域:臨床実地 Taxonomy:問題解決型 難易度:中等度
必要度:重要 | 解説:PT正常、APTT延長から内因系凝固因子活性の低下が考えられるが、混合補正試験のAPTTをみるとCよりもDが延長していることから、抗体の存在すなわち循環抗凝血素(インヒビター)が考えられる。
| | |  |
 | 24.
35歳女性。発熱、全身倦怠感、四肢の紫斑を主訴に来院。体温 38 _C、両側下肢に点状出血を多数認める。赤血球 290万、Hb 9 g/dL、Ht 28 %、網赤血球
10 %、白血球 6000、血小板 1 万、プロトロンビン時間(PT)12秒(基準 9-13)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT) 40 秒(基準
25-45)、フィブリノゲン 300 mg/dL(基準 150-400)、FDP 10 μg/mL以下(基準 10 以下)、総ビリルビン 1.6 mg/dl(直接型
0.2)、AST(GOT) 35 IU/l(基準 5-37)、ALT(GPT) 40 IU/l(基準6-43)、LDH 700 IU/l(基準 280-510)尿素窒素
40 mg/dl、クレアチニン 1.4 mg/dl。尿潜血反応(2+)。直接および間接Coombs 試験陰性。末梢血塗沫標本では奇形赤血球が目だった。最初に行う治療法として適切なものはどれか。2つ選べ。 |  |
 |
 |
| a | 赤血球輸血 |
| b | 血小板輸血
| | c | 新鮮凍結血漿の輸注 |
| d | ステロイドの投与 |
| e | 血漿交換 |
キーワード:血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、新鮮凍結血漿、血漿交換
領域:臨床実地 Taxonomy:問題解決型 難易度:中等 必要性:重要 |
解説:発熱、精神神経症状、微小血管症性溶血性貧血、血小板減少、腎障害の5徴候のうち、精神神経症状以外の4徴候が存在することから、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)が考えられる(TTPの初診時に5徴候が全てみられることは、まれである)。TTPに対する第一選択の治療法はcとeであり、bはさらに血栓の形成を助長させるため原則として禁忌であり、生命の危険性のある重篤な出血以外に行ってはならない。 |
| |  |
 | 25.
25 才男性。呼吸困難を主訴に来院し、肺血栓塞栓症と診断された。Hb 15 g/dL、白血球 9000、血小板 30 万、プロトロンビン時間(PT)12秒(基準
9-13)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT) 30 秒(基準 25-45)、フィブリノゲン 300 mg/dL(基準 150-400)、FDP
20 μg/mL(基準 10 以下)。考えにくい疾患はどれか。2つ選べ。 |  |
 |
 |
| a | DIC |
| b | ループスアンチコアグラント |
| c | アンチトロンビン
III (ATIII) 欠損症 | | d | プロテインC
欠損症 | | e | プロテインS
欠損症 |
キーワード:先天性血栓性素因、ATIII、プロテインC、プロテインS 領域:臨床実地 Taxonomy:問題解釈型 難易度:平易
必要性:重要 | 解説:先天性血栓性素因の代表的疾患には、ATIII、プロテインC、プロテインS
欠損症がある。APTTの延長がみられないのでbは考えにくい。 | | |
 |
|  | |