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平成15年度卒業試験 本試験問題 血液内科PAGE 1 2 [3] 4 5
13. 慢性リンパ性白血病について正しいものはどれか。
解答形式:X(2)正答 →
a我が国では、欧米よりも発症頻度が高い。
b病期の進行とともに貧血、血小板減少が進行する。
c副腎皮質ステロイドが第1選択の治療薬である。
dt(14;18)の染色体異常を示す。
e白血病細胞はB細胞抗原であるCD19、CD20に加えてCD5が陽性である。

キーワード:慢性リンパ性白血病、貧血、血小板減少、CD5、CD19、CD20
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:中等
必要性、重要

解説:慢性リンパ性白血病は、欧米に比べて我が国では発症頻度が低い。白血病細胞はB細胞抗原(CD19、20)に加えてCD5陽性であり、しばしば自己免疫性溶血性貧血などの自己免疫性疾患を合併する。この様な場合に症状のコントロール目的で副腎皮質ホルモンが使われるが、原疾患に対する第1選択の治療薬は、DNA代謝拮抗剤であるフルダラビンである。t(14;18)の染色体異常を示すのは濾胞性リンパ腫である。
 
14.  BCR-ABL融合遺伝子および蛋白について正しいものはどれか。
解答形式:X(2)正答 →
a8番と21番染色体の相互転座により形成される。
b慢性リンパ性白血病で最も高頻度に認められる。
c骨髄異形成症候群でしばしば認められる。
dABLのチロシンキナーゼ活性が上昇する。
eチロシンキナーゼ阻害剤(イマチニブ)の標的分子である。

キーワード:BCR-ABL融合遺伝子、チロシンキナーゼ阻害剤(イマチニブ)
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:中等
必要性:重要

解説:9番と22番染色体の相互転座によりフィラデルフィア(Ph)染色体が生じ、分子レベルではBCR-ABL融合遺伝子が形成される。造血幹細胞レベルでこの異常が起こると、BCR-ABL融合蛋白質がチロシンキナーゼ活性を発揮することにより細胞増殖を促進し、アポトーシスを抑制して慢性骨髄性白血病(CML)および一部の急性リンパ性白血病を引き起こす。最近BCR-ABL融合蛋白質を標的分子としたチロシンキナーゼ阻害剤イマチニブが臨床で使用されるようになり、CMLの第一選択薬となりつつある。BCR-ABL融合遺伝子は慢性リンパ性白血病や骨髄異形成症候群ではみられない。
 
15.  骨髄異形成症候群について正しいものはどれか。2つ選べ
解答形式:X(2)正答 →
a5q- 染色体異常が単独で見られる症例の予後は良好である。
b多クローン性疾患である。
c血球減少を呈することが多い。
dしばしば肝脾腫を認める。
e血清ビタミンB12は高値であることが多い。

キーワード:骨髄異形成症候群、5q-、血球減少
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:中等
必要度:重要

解説:骨髄異形成症候群は、血球減少および形態異常(細胞異型)を起こす造血幹細胞レベルの単クローン性疾患である。肝脾腫を認め、血清ビタミンB12が高値となるのは慢性骨髄性白血病を代表とする骨髄増殖性疾患である。
 
16.  Hodgkinリンパ腫について正しいものはどれか。2つ選べ
解答形式:X(2)正答 →
a欧米に比べて日本での発症頻度は高い。
bReed-Sternberg細胞はCD15、CD30が陽性のことが多い。
c右浅頚部および右鎖骨上窩リンパ節が腫大している場合は、臨床病期分類でII期である
d結節硬化型は比較的若年者に多い。
e進行期若年者に対する治療の第一選択は、CHOP療法である。

キーワード:Hodgkinリンパ腫、Reed-Sternberg細胞、Ann Arbor臨床病期分類、結節硬化型
領域:一般
Toxonomy:想起型
難易度:平易
必要性:重要

解説:Hodgkinリンパ腫は、我が国では欧米に比べ発症頻度は低い。非Hodgkinリンパ腫に比べて一般に予後良好である。同側の頚部から鎖骨上窩は同一リンパ節領域であり、I期である。進行期ではABVD療法が治療の第1選択であり、CHOP療法は非Hodgkinリンパ腫に対する標準的治療法である。
 
17.  非Hodgkinリンパ腫について正しいものはどれか。2つ選べ
解答形式:X(2)正答 →
a国際予後指数 (IPI: International Prognostic Index) に含まれる因子は、年齢、Performance status、LDH値、臨床病期、節外病変の数である。
b未分化大細胞型リンパ腫ではt(14; 18) の染色体異常により、細胞死を抑制するbcl-2蛋白の過剰発現を認めることが多い。
c成人T細胞白血病・リンパ腫は、HTLV-1の水平感染により高率に発症する。
d進行期濾胞性リンパ腫の標準的治療法は、rituximab併用化学療法である。
e脳原発のリンパ腫は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫が多く、多臓器へ浸潤する頻度が高い。

キーワード:非Hodgkinリンパ腫、IPI、t(14; 18)、bcl-2、HTLV-1、rituximab、濾胞性リンパ腫、中枢神経リンパ腫
領域:一般
Toxonomy:想起型
難易度:中等
必要性:重要

解説:濾胞性リンパ腫ではt(14; 18)の異常が多く認められ、進行期の治療としてはrituximabを含む化学療法が第1選択となる。未分化大細胞型リンパ腫でしばしば認められる染色体異常はt(2; 5)である。HTLV-1感染からキャリアーの状態を経て、成人T細胞白血病・リンパ腫の発症に至るまでには、多段階の遺伝子変化が必要と考えられ、乳児期(母乳からの感染)、幼少期での感染がないと発症しない可能性が高い。脳原発のリンパ腫はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫が多いが、眼、脊髄以外の臓器に浸潤することはまれである。
 
18.  悪性リンパ腫について、正しいものはどれか。2つ選べ
解答形式:X(2)正答 →
a大多数のBurkittリンパ腫の発症に、Epstein-Barrウイルスが関与している。
b胃原発MALTリンパ腫の初期病変に対し、Helicobacter pylori除菌療法が有効である。
c進行期の皮膚T細胞性リンパ腫の治療に対し、PUVA療法が有効である。
dマントル細胞リンパ腫では、しばしば多クローン性高ガンマグロブリン血症や皮疹がみられる。
e若年者の再発性非Hodgkinリンパ腫患者で、化学療法に感受性を示す場合は、自己造血幹細胞移植を含む大量化学療法の良い適応である。

キーワード:Burkittリンパ腫、Epstein-Barrウイルス、MALTリンパ腫、Helicobacter pylori、皮膚T細胞性リンパ腫、PUVA療法、マントル細胞リンパ腫、自己造血幹細胞移植
領域:一般
Toxonomy:想起型
難易度:中等
必要性:重要

解説:Burkittリンパ腫の中でEBVの関連するものは、HIV関連およびアフリカ赤道直下の地域に発症するendemic typeである。胃原発のMALTリンパ腫の発症にはHelicobacter pyloriが関与しており、初期病変は除菌療法によってしばしば消退する。皮膚T細胞性リンパ腫に対するPUVA療法は、病変が皮膚に限局している初期に有効な治療法である。多クローン性高ガンマグロブリン血症や皮疹がみられるのは、Angioimmunoblastic T-cell lymphoma(AILT, IBL)である。
 
19.  原発性骨髄線維症について誤りはどれか。2つ選べ
解答形式:X(2)型正答 →
a奇形赤血球がみられる。
b線維芽細胞はクローン性増殖を示す。
c骨髄は穿刺不能 (dry tap) であることが多い。
d骨髄巨核球は増加することが多い。
e脾摘が有効である。

キーワード:骨髄線維症、奇形赤血球、線維芽細胞、dry tap、骨髄巨核球
領域:一般
Toxonomy:想起型
難易度:平易
必要性:重要

解説:線維芽細胞はクローン性(腫瘍性)ではなく、反応性(非腫瘍性)増殖を示す。脾摘は予後を改善しない。
 
20.  アレルギー性(Sch_nlein-Henoch)紫斑病でみられない所見はどれか。2つ選べ
解答形式:X(2)型正答 →
a関節痛
b腹痛
c血尿
d出血時間の延長
e凝固因子活性の低下

キーワード:アレルギー性(Sch_nlein-Henoch)紫斑病、関節痛、腹痛、血尿
領域:臨床実地
Toxonomy:想起型
難易度:中等
必要性:重要

解説:アレルギー性(Sch_nlein-Henoch)紫斑病は血管壁の異常により出血をきたす疾患で、出血時間や凝固系検査は正常である。
 
21.  播種性血管内凝固(DIC)について正しいものはどれか。
解答形式:A型正答 →
a内科的基礎疾患で多いのは、感染症と膠原病である。
bフィブリノゲンは、初期から減少することが多い。
c重篤な出血症状を伴う場合にも、抗凝固剤の投与は積極的に行うべきである
d出血症状と血栓症状の両方がみられなければ、DICと診断できない。
e低分子ヘパリンは、未分画ヘパリンよりも出血の合併症が少ない。

キーワード:DIC、フィブリノゲン、抗凝固剤、ヘパリン、低分子ヘパリン
領域:一般
Toxonomy:問題解釈型
難易度:中等
必要性:必須

解説:内科的基礎疾患で多いのは、感染症と悪性腫瘍である。フィブリノゲンは、初期にはしばしば増加する。重篤な出血症状を伴う場合、抗凝固剤の投与は禁忌である。DICでは出血症状と血栓症状の両者がみられるとは限らない。
 
22.  ワーファリンを投与しても低下しない凝固因子はどれか。
解答形式:A型正答 →
aプロトロンビン
bVII 因子
cVIII因子
dIX 因子
eX 因子

キーワード:ビタミン K 欠乏症、プロトロンビン、VII 因子、IX 因子、X 因子
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:中等
必要性:重要

解説:ビタミン K 依存性凝固蛋白には、プロトロンビン、VII、IX、X因子の他にプロテインCとSがあり、これらはビタミン Kの拮抗薬であるワーファリンの投与によって低下する。
 
23.  誤りはどれか。
解答形式:A型正答 →
aGPIIb-IIIaとフィブリノゲンの結合により、血小板凝集が生じる。
b血小板無力症(Glanzmann病)では、リストセチン凝集が特異的に減弱する。
cBernard-Soulier症候群は、GPIb-IX-Vの先天的欠損が原因である。
dアスピリンは、二次凝集を特異的に減弱させる。
e特発性血小板減少性紫斑病(ITP)でみられる抗血小板自己抗体の抗原決定基は、GPIIb-IIIaおよびGPIb-IX-Vが多い。

キーワード:GPIIb-IIIa、フィブリノゲン、血小板 凝集、血小板無力症(Glanzmann病)、リストセチン、Bernard-Soulier症候群、 GPIb-IX-V 、アスピリン、二次凝集、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、抗血 小板自己抗体
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:中等
必要性:重要

解説:血小板無力症(Glanzmann病)では、リストセチン以外の刺激物質による 凝集が減弱する。
 
24.  造血幹細胞移植について誤りはどれか。2つ選べ
解答形式:X(2)正答 →
a末梢血幹細胞移植は、HLAの適合度が低くても可能である。
b臍帯血移植では、移植後血球の回復が早い。
c同種移植は、自家移植よりも早期(移植関連)死亡率が高い。
d高齢者に対しては、骨髄非破壊的前処置による移植が望ましい。
e顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)投与により、末梢血中に造血幹細胞が動員される。

キーワード:造血幹細胞移植、HLA、末梢血幹細胞移植、臍帯血移植、同種移植、自家移植、骨髄非破壊的前処置、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、造血幹細胞
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:中等
必要性:重要

解説:HLAの適合度が低くても可能な移植は臍帯血移植であり、移植後血球の回復が早いのは末梢血幹細胞移植である。
 
25. 造血幹細胞移植の合併症について、誤りはどれか。
解答形式:A正答 →
a急性GVHDの主症状は、皮疹、肝障害、間質性肺炎である。
b慢性GVHDは自己免疫疾患様の症状を呈する。
cサイトメガロウイルス(CMV)感染症は、移植後3カ月以降に多い。
d肝静脈閉塞症 (VOD) は、予後不良な移植早期合併症である。
eアデノウイルス感染症は、出血性膀胱炎をきたす。

キーワード:造血幹細胞移植、急性GVHD、慢性GVHD、サイトメガロウイルス、肝静脈閉塞症 (VOD)、アデノウイルス、出血性膀胱炎
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:中等
必要性:重要

解説:急性GVHDの主症状は、皮疹、肝障害、下痢である。
 
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