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平成14年度卒業試験 本試験問題 血液内科PAGE 1 2 [3] 4 5
13. 本態性血小板血症について正しいものはどれか。2つ選べ。
解答形式:X(2)正答 →
a若年者に多い。
bリンパ節腫脹がみられる
c偽性高カリウム血症を伴う。
dLDH値が増加する。
e瀉血が有効である。

キーワード:本態性血小板血症、偽性高カリウム血症、LDH
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:平易
必要性:重要

解説:本態性血小板血症は中高齢者に多く、しばしば肝脾腫がみられる。治療法として、中高齢者に対してはアスピリンなどの抗血小板薬やヒドロキシウレアが投与される。瀉血は真性多血症に対する治療法である。
 
14. 真性赤血球増加症(真性多血症)でみられる所見はどれか。
解答形式:A正答 →
a血小板減少
b脾腫
c動脈血酸素飽和度低下
d血清ビタミンB6値上昇
e血清エリスロポエチン値上昇

キーワード:真性赤血球増加症(真性多血症)、脾腫、動脈血酸素飽和度、ビタミンB12、エリスロポエチン
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:平易
必要性:重要

解説:真性赤血球増加症は骨髄増殖性疾患の1型であり、赤血球の他に白血球、血小板数も増加傾向を示す。動脈血酸素飽和度は正常であり、血清ビタミンB12値が上昇し、エリスロポエチン値は正常または低下を示す。
 
15. 造血幹細胞移植について正しいものはどれか。2つ選べ。
解答形式:X(2)正答 →
a臍帯血移植は、HLAの適合度が低くても可能である。
b同種移植では、一般に同胞間移植より非血縁者間移植の方が成績が良い。
cドナーリンパ球輸注は、慢性骨髄性白血病などの移植後早期再発に有効である。
dミニ移植とは、輸注する造血幹細胞数が少ない移植を意味する。
eエリスロポエチン投与により、末梢血中に造血幹細胞が動員される。

キーワード:造血幹細胞移植、臍帯血移植、ドナーリンパ球輸注、ミニ移植
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:中等
必要性:重要

解説:一般に非血縁者間移植より同胞間移植の方が成績が良い。ミニ移植とは骨髄非破壊的な前処置による移植を言う。末梢血中に造血幹細胞を動員させるのは顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)である。
 
16. 造血幹細胞移植について正しいものはどれか。
解答形式:A正答 →
a再生不良性貧血では、同種移植より自家移植の方が成績が良い。
b t(8;21)、t(15;17)、inv(16) を伴う急性骨髄性白血病第一寛解期は移植の適応である。
c急性GVHDの主症状は、下痢、肝障害、皮疹である。
dサイトメガロウイルス(CMV)による感染症は、移植後1カ月以内に多い。
e肝静脈閉塞症 (VOD) は、比較的予後良好な移植早期合併症である。

キーワード:造血幹細胞移植、再生不良性貧血、同種移植、自家移植、t(8;21)、t(15;17)、inv(16)、急性GVHD、サイトメガロウイルス、肝静脈閉塞症 (VOD
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:平易
必要性:重要

解説:再生不良性貧血では同種移植を行う。AML のうち、t(8;21) を伴うM2、 t(15;17) を伴うM3、inv(16) を伴うM4Eo(好酸球増加を伴うM4)は比較的予後良好であるため、移植は通常再発後(第2寛解期)に行われる。サイトメガロウイルス(CMV)による感染症は移植後3カ月以降に多い。肝静脈閉塞症 (VOD) はきわめて予後不良な合併症である。
 
17. 悪性リンパ腫の治療に関して誤りはどれか。
解答形式:A正答 →
arituximabは CD 20に対する抗体である。
brituximabは、濾胞性リンパ腫の治療薬として有効である。
cCHOP療法は、Hodgkinリンパ腫に対する標準的な化学療法である。
d予後不良例に対して自家末梢血幹細胞移植が積極的に行われる。
e胃原発のMALTリンパ腫初期病変に対して、H. pylori除菌療法が有効である。

キーワード:悪性リンパ腫、rituximab、CHOP療法、末梢血幹細胞移植、MALTリンパ腫、H. pylori
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:平易
必要度:重要

解説:rituximabはCD 20に対する抗体であり、B細胞性リンパ腫、特に濾胞性リンパ腫に有効である。CHOP療法は、非ホジキンリンパ腫に対する標準的な化学療法である。
自家末梢血幹細胞移植はIPIで推測される予後不良例や再発例に対して施行される。
 
18. Hodgkinリンパ腫の病理組織標本を写真(2)に示す。正しいものはどれか。

(写真2)
解答形式:A正答 →
aわが国ではHodgkinリンパ腫は、リンパ腫全体の約50 %を占める。
b一般に非Hodgkinリンパ腫より予後不良である。
c放射線感受性が低いため、放射線治療を行われることはまれである。
d写真左は結節硬化型で、若い女性に多く予後良好である。
e写真右では小型の細胞がHodgkin細胞で、大型の細胞がReed-Sternberg 細胞である。

キーワード:Hodgkinリンパ腫、結節硬化型、Hodgkin細胞、Reed-Sternberg 細胞
領域:一般
Taxonomy:問題解釈型
難易度:平易
必要度:重要

解説:わが国ではHodgkinリンパ腫はリンパ腫全体の約10 %を占める。一般にHodgkinリンパ腫は非Hodgkinリンパ腫より予後良好で、放射線感受性が高く放射線治療もしばしば行われる。写真左は赤く見える膠原線維が増成して青く見える細胞集塊を取り囲んでおり、結節硬化型の特徴的組織像を示す。写真右では、大型で大きな核小体を持つ単核の細胞がHodgkin細胞、2核の大型細胞がReed-Strenberg 細胞、背景の小−中型の細胞は正常リンパ球である。
 
19. 悪性リンパ腫の臨床病期分類(Ann Arbor分類)で正しいものはどれか。
解答形式:A正答 →
a頸部リンパ節と腋窩リンパ節が腫脹していればIII期である。
b頸部リンパ節と鼠径リンパ節が腫脹していればIV期である
c骨髄浸潤があればIV期である。
d発熱があればA症状ありとする。
e貧血があればB症状ありとする。

キーワード:悪性リンパ腫、臨床病期(Ann Arbar)分類
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:平易
必要度:必須

解説:悪性リンパ腫の病期分類として Ann Arbar 分類が用いられる。横隔膜を境として病変が一側にあれば病期I(腫大リンパ節領域1カ所)またはII(腫大リンパ節領域2カ所)であり、両側にあればIII期以上、広範な臓器浸潤を認めればIV期である。発熱、体重減少、寝汗(盗汗)を認める場合B症状ありとし、これらの症状を認めない場合をAとする。
 
20. 悪性リンパ腫に関して誤りはどれか。
解答形式:A正答 →
aHodgkin細胞は CD30が陽性のことが多い。
bB細胞性リンパ腫は CD20が陽性のことが多い。
cT細胞性リンパ腫は CD3が陽性のことが多い。
dマントル細胞リンパ腫は CD5が陽性のことが多い。
eSezary 細胞はCD16が陽性のことが多い。

キーワード:悪性リンパ腫、細胞表面抗原(マーカー)、T細胞、B細胞、Hodgkin細胞、マントル細胞リンパ腫、Sezary 細胞
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:中等度
必要度:必須

解説:非Hodgkinリンパ腫は、細胞起源によりB細胞性とT細胞性に大別される。B細胞性では表面抗原(マーカー)としてCD19、20、T細胞性ではCD2、3、5、4または8が陽性のことが多い。マントル細胞リンパ腫はB細胞性であるがCD5が陽性になるのが特徴であり、初発時既に病期の進展していることが多く、かつ治療に対する反応も乏しいためにきわめて予後不良である。Sezary 細胞はSezary 症候群で増殖するT細胞でありCD3が陽性である。CD16はNK細胞のマーカーである。
 
21. 血栓性血小板減少性紫斑病 (TTP) および溶血性尿毒症症候群 (HUS) について、正しいものはどれか。2つ選べ。
解答形式:X(2)正答 →
a血小板輸血が有効である。
b血漿交換が有効である。
cHUS は小児に多い。
dFDP が増加することが多い。
eHUSではしばしばvon Willebrand 因子メタロプロテアーゼ活性の低下を認める。

キーワード:TTP、HUS、血漿交換、von Willebrand 因子メタロプロテアーゼ
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:中等度
必要度:必須

解説:血小板輸血はさらに血栓の形成を助長するので一般的には禁忌である。HUSではvon Willebrand 因子を小さな分画に切断するvon Willebrand 因子メタロプロテアーゼ活性の低下を認めない。
 
22. 播種性血管内凝固(DIC)について誤りはどれか。2つ選べ。
解答形式:X(2)正答 →
a白血病の中で合併する頻度が最も高いものは、急性前骨髄球性白血病である。
bFDPが増加する
cフィブリノゲンは、初期にしばしば増加する。
d第一選択の治療法は、ヘパリンなど抗凝固剤の投与である。
e血小板輸血は極力避けるべきである。

キーワード:DIC、FDP、フィブリノゲン、ヘパリン、血小板輸血
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:平易
必要性:必須

解説:第一選択の治療法は基礎疾患の治療である。DICでは血栓症よりも出血症状がめだつ場合が多いため、次に補充療法を行うべきであり、特に血小板減少が著しい場合には積極的に血小板輸血を行う。抗凝固剤は血栓症状の明らかな場合や補充療法で改善しない場合に投与する。
 
23. 血栓症をきたさない疾患はどれか。
解答形式:A正答 →
a先天性アンチトロンビンIII(ATIII)欠損症
b先天性プロテインC欠損症
c先天性プロテインS欠損症
d先天性XIII因子欠損症
e抗リン脂質抗体症候群

キーワード:血栓症、先天性アンチトロンビンIII欠損症、先天性プロテインC欠損症、先天性プロテインS欠損症、抗リン脂質抗体症候群
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:平易
必要性:重要

解説: XIII因子はフィブリンを架橋し安定化する。したがってその欠損症は出血傾向を示す。
 
24. アレルギー性紫斑病について誤りはどれか。
解答形式:A正答 →
a小児、青少年に多い。
b関節症状は、手指関節などの小関節に多くみられる。
c血尿がみられる。
d腹痛がみられる。
e出血斑は下肢に多い。

キーワード:アレルギー性紫斑病
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:平易
必要性:中等度

解説:関節症状は、足、膝関節などの大関節に多くみられる。
 
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