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平成14年度卒業試験 本試験問題 血液内科PAGE [1] 2 3 4 5
1. 貧血でみられる症状、身体所見で正しいものはどれか。2つ選べ
解答形式 X(2) 正答 →
a溶血性貧血の皮膚は茶褐色を呈する。
b萎縮性 (Hunter) 舌炎は悪性貧血でみられる。
c振動覚、位置覚の低下は、鉄欠乏性貧血でみられる。
dさじ状爪 (spoon nail) は、葉酸欠乏性貧血でみられる。
eメトヘモグロビン血症では、チアノーゼがみられる。

キーワード:血性貧血、萎縮性 (Hunter)舌炎、振動覚、位置覚の低下、さじ状爪、メトヘモグロビン血症、チアノーゼ
領域:必修「6-A-al」
Taxonomy:想起型
難易度:平易
必要度: 必須

解説:溶血性貧血の皮膚はレモン色を呈し、振動覚、位置覚の低下は悪性貧血でさじ状爪 は鉄欠乏性貧血でみられる。
 
2. 溶血を示す検査所見で誤りはどれか。
解答形式 A正答 →
a網赤血球数増加
b間接ビリルビン値増加
c ハプトグロビン値増加
dGOT値増加
eLDH値増加

キーワード:溶血、網赤血球数、間接ビリルビン、ハプトグロビン、LDH
領域:必修「6-A-al」
Taxonomy:想起型
難易度:平易
必要度:重要

解説:溶血性貧血では、ハプトグロビン値が減少する。
 
3. 鉄について正しいものはどれか。2つ選べ。
解答形式 X(2) 正答 →
a正常成人の生体内鉄量は、約15-40gである。
b正常成人の体内鉄量の2/3はヘム鉄に含まれる。
c鉄は回腸末端での吸収される。
d成人男子で1日に体外に排泄される鉄は、約1 mgである。
e血清鉄はフェリチンと結合して存在する。

キーワード:鉄、ヘム鉄、血清鉄、フェリチン
領域:必修「14-B-a」
Taxonomy:想起型
難易度:中等度
必要度:必須

解説:成人男性は 50 mg/kg、女性は 35 mg/kgの鉄を有する。鉄は十二指腸および空腸上部で吸収され、血清鉄はトランスフェリンと結合して存在する。
 
4. 正常免疫グロブリンの低下のために易感染性を呈する疾患はどれか。2つ選べ。
解答形式:X(2)正答 →
a慢性骨髄性白血病
b慢性リンパ性白血病
c急性骨髄性白血病
d骨髄線維症
e多発性骨髄腫

キーワード:免疫グロブリン、易感染性
領域:必修「8-H-h」
Taxonomy:想起型
難易度:平易
必要度:必須

解説:正常な免疫グロブリンが低下し易感染性を合併する疾患は、主として慢性のリンパ系腫瘍である。
 
5. 以下の合併症と投与してもさしつかえない薬剤の組み合わせはどれか。2つ選べ。
解答形式:X(2)正答 →
a心不全 − ドキソルビシン
bDIC − シトシンアラビノシド (Ara-C)
c重症便秘症 − ビンクリスチン
d胃潰瘍 − プレドニゾロン
e 糖尿病 ‐  all-trans retinoic acid (ATRA)

キーワード:抗癌剤、副作用
領域:必須「12-U-a」
Taxonomy:想起型
難易度:中等度
必要度:必須

解説:ドキソルビシンは心筋障害、ビンクリスチンは末梢神経障害によりしばしば麻痺性イレウスを引き起こす。
 
6. 非Hodgkinリンパ腫の予後推定に有用な国際予後因子 (IPI: International Prognositic Index )に含まれる検査項目はどれか。
解答形式:A正答 →
aCRP
bLDH
cβ2ミクログロブリン値
d可溶性インターロイキン2レセプター値
eインターロイキン6血中濃度

キーワード:IPI、悪性リンパ腫
領域:必修「8-B-a」
Taxonomy:想起型
難易度:平易
必要度:必須

解説:もともとび慢性大細胞型B細胞リンパ腫の予後を推定する目的で提唱された国際予後因子(IPI) は、他の非Hodgkinリンパ腫に対しても適用される。年齢(60歳以下)、performance status、病期、節外病変の数、LDH をもとに計算され、患者を low、low intermediate、high intermediate、high の4群に分類する。low の予後が最も良好でhigh が最も不良である。
 
7. 悪性リンパ腫について正しいものはどれか。
解答形式:A正答 →
a脳原発のリンパ腫は他臓器へ浸潤しやすい。
b皮膚のリンパ腫はPUVA療法により治癒することが多い。
c菌状息肉症はB細胞性腫瘍である。
dimmunoblastic lymphadenopathy (IBL) では、しばしばM蛋白がみられる。
eびまん性小細胞型や濾胞性リンパ腫の生存曲線は、プラトーに達しない。

キーワード:悪性リンパ腫、PUVA療法、菌状息肉症、IBL、びまん性小細胞型リンパ腫、濾胞性リンパ腫
領域:必修「11-A-a」
Taxonomy:想起型
難易度:平易
必要度:重要

解説:脳原発リンパ腫が他臓器へ浸潤することは少ない。皮膚のリンパ腫はT細胞由来が多く、一般に治療に対する反応に乏しく予後不良である。菌状息肉症はT細胞性腫瘍であり、IBLではしばしば多クローン性高ガンマグロブリン血症がみられる。
 
8. 悪性リンパ腫の各病型と染色体異常の組み合わせで正しいものはどれか。
解答形式:A正答 →
a濾胞性リンパ腫 - t(14;18)
bマントル細胞リンパ腫 - t(8;14)
c未分化大細胞型リンパ腫 - t(11;14)
dびまん性大細胞型B細胞リンパ腫 - t(2;5)
eバーキットリンパ腫 - t(3;14)

キーワード:悪性リンパ腫、染色体異常
領域:必修「11-A-a」
Taxonomy:想起型
難易度:やや難
必要度:必須

解説:悪性リンパ腫では組織型に特異的な染色体異常が認められる。濾胞性リンパ腫では t(14;18)により bcl2遺伝子、マントル細胞リンパ腫では t(11;14)によりbcl1/cyclin D1 遺伝子、び慢性大細胞型B細胞リンパ腫では t(3;14) によりbcl6遺伝子、バーキットリンパ腫では t(8;14) によりc-myc 遺伝子の異常が認められ、未分化大細胞リンパ腫では t(2;5)異常によりNPM-ALK融合遺伝子が形成される。
 
9.  血清、尿免疫電気泳動(写真1)から考えられるM 蛋白はどれか。

(写真1)
解答形式:A正答 →
aIgG, κ型
bIgG, λ型
cIgA, κ型
dBence Jones Protein (BJP), κ型
eBence Jones Protein (BJP), λ型

キーワード:M 蛋白、免疫電気泳動、Bence Jones protein(BJP)
領域:必修「8-H-h」
Taxonomy:問題解釈型
難易度:中等度
必要度:重要

解説:血清ではIgG、A、Mに対する抗体に対して正常と明らかな差を認めず、尿では抗κに対し明らかな沈降線がみられることから、M-蛋白はBJP,κ 型であることがわかる。
 
10. 正しいものはどれか。
解答形式:A正答 →
a血小板の寿命は約1カ月である。
b血小板凝集の本態は、von Willebrand 因子と血小板表面のGPIb-IXとの結合である。
c出血時間は凝固因子の低下により延長する。
d筋肉、関節内出血(深部出血)は、血小板、血管壁の異常でみられる。
eワーファリンの化学構造はビタミンKと似ており、その作用を拮抗的に阻害する。

キーワード:血小板寿命、血小板凝集、筋肉、関節内出血(深部出血)、ワーファリン、ビタミンK
必修「」
Taxonomy:想起型
難易度:平易
必要性:必須

解説:血小板の寿命は8-10日である。血小板凝集の本態は、フィブリノゲンとその血小板表面レセプターであるGPIIb-IIIaとの結合である。出血時間は血小板または血管壁の異常により延長し、筋肉、関節内出血(深部出血)は凝固因子の低下でみられる。ワーファリンはビタミンK依存性凝固蛋白の合成を阻害する。
 
11. 出血傾向の強い患者に対して行っても支障のない医療行為はどれか。2つ選べ。
解答形式:X(2)正答 →
aアスピリンの投与
bトラネキサム酸の投与
c筋肉内注射
d骨髄穿刺
e肝生検

キーワード:出血傾向、アスピリン、トラネキサム酸、筋肉内注射、骨髄穿刺
領域:必修「8-D-d,e, 12-K-c, 12-U-a」
Taxonomy:問題解釈型
難易度:中等
必要性:必須

解説:血小板凝集を抑制するアスピリンの投与、血腫を作る可能性のある筋肉内注射、また肝生検は大出血をきたすため禁忌である。トラネキサム酸はプラスミンの阻害薬であり止血剤として用いられる。骨髄穿刺はDICを合併した急性前骨髄性白血病(M3) でさえも診断に不可欠な検査として行われ、圧迫止血を十分に行えば問題ない。
 
12. 脾腫のみられない疾患はどれか。
解答形式:X(2)正答 →
a敗血症
b全身性エリテマトーデス (SLE)
c門脈血栓症
dアミロイドーシス
e特発性血小板減少性紫斑病 (ITP)

キーワード:脾腫、敗血症、全身性エリテマトーデス(SLE)、門脈血栓症、アミロイドーシス
領域:必修「7-G-b」
Taxonomy:想起型
難易度:平易
必要性:重要

解説:特発性血小板減少性紫斑病 (ITP)では通常脾腫はみられない。
 
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