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平成13年度卒業試験 本試験問題 血液内科PAGE [1]    
1. サラセミアについて誤りはどれか。 2 つ選べ。
解答方式  X(2)正答 →
a大球性貧血を呈する。
b小球性貧血を呈する。
c血清鉄は正常である。
d先天性ヘモグロビン合成異常症である。
e先天性赤血球膜異常症である。

キーワード:サラセミア、小球性貧血、
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:平易
必要度:中程度

解説:グロビン鎖の合成障害に基づき小球性貧血を示す。小球性貧血で血清鉄が正常である場合にサラセミアを疑う。
 
2. 鉄芽球性貧血について正しいものはどれか。2つ選べ。
解答形式 X(2) 正答 →
a骨髄では赤芽球が減少する。
b骨髄で環状鉄芽球が多数出現する。
c血清フェリチンが低下する。
d血漿鉄消失時間が延長する。
e赤血球鉄利用率が低下する。

キーワード:鉄芽球性貧血、環状鉄芽球、フェリチン、赤血球鉄利用率
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:中等
必要度:中程度

解説:赤芽球、血清フェリチンは増加する。血漿鉄消失時間は短縮するが、赤血球鉄利用率は低下する(無効造血)。
 
3. 発作性夜間血色素尿症 (PNH) について誤りはどれか。
解答形式 A正答 →
a先天性疾患である。
b血栓症をしばしば合併する。
cHam 試験、ショ糖試験が陽性となる。
dGPI アンカー蛋白の欠損が原因である。
e再生不良性貧血に移行することがある。

キーワード:PNH、Ham 試験、ショ糖試験、GPI アンカー蛋白
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:平易
必要度:重要

解説:後天性血管内溶血性疾患である。
 
4. 遺伝性球状赤血球症について正しいものはどれか。
解答形式:A正答 →
a伴性劣性遺伝形式をとる。
b網赤血球が低下する。
cスペクトリン、アンキリンなどの赤血球膜骨格蛋白の異常が原因である。
d脾摘は、通常無効である。
e我が国では、発症頻度の低い先天性溶血性貧血である。

キーワード:遺伝性球状赤血球症、スペクトリン、アンキリン
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:平易
必要度:中程度

解説:一般に常染色体優性遺伝で、先天性溶血性貧血の中では最も頻度が高い。赤血球膜骨格の構成蛋白であるスペクトリン、アンキリンなどの異常が原因であり、脾摘が奏功する。
 
5. 赤血球破砕症候群をきたす疾患はどれか。2つ選べ。
解答形式  X(2)正答 →
a再生不良性貧血
b発作性夜間血色素尿症 (PNH)
c播種性血管内凝固 (DIC)
d血栓性血小板減少性紫班病 (TTP)
e特発性血小板減少性紫班病 (ITP)

キーワード:赤血球破砕症候群、DIC、TTP、
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:平易
必要度:中程度

解説:DIC、TTP では、細小血管内の血栓により通過する赤血球が機械的に破壊される。
 
6. ヘモグロビン合成酵素異常による遺伝性溶血性貧血の中で、我が国で多いものはどれか。2つ選べ。
解答形式  X(2)正答 →
a鎌状赤血球症
bグルコース-6- リン酸脱水素酵素 (G6PD) 異常症
cピルビン酸キナーゼ (PK) 異常症
dサラセミア
e不安定ヘモグロビン症

キーワード:先天性赤血球酵素異常症、G6PD 異常症、PK 異常症
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:中等
必要度:中程度

解説:我が国では、G6PD 異常症とPK 異常症が多い。
 
7. 骨髄異形成症候群について正しいものはどれか。2つ選べ。
解答形式 X(2)正答 →
a骨髄は低形成を示すことが多い。
b骨髄での無効造血が疾患の病態として重要である。
c不応性貧血 (RA) では、肝脾腫を認めることが多い。
d血清ビタミンB12 は高値を示すことが多い。
e5q- 単独の染色体異常を示す症例の予後は良好である。

キーワード:MDS、5q-、無効造血
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:やや難
必要度:重要

解説:骨髄は通常、正または過形成を示す。肝脾腫がしばしば認められるのは、慢性骨髄単球性白血病である
 
8. 慢性期の慢性骨髄性白血病 (CML) について正しいものはどれか。
解答形式 A正答 →
a著明な白血球増多が認められ、赤血球、血小板は減少する。
b好中球アルカリホスファターゼ(NAP)スコアが高値となる。
c末梢血では白血病裂孔を認める。
da-インターフェロンにより、ほとんどの症例で白血病細胞(Ph 染色体)の完全 消失が認められる。
e無治療では3-4年で急性転化を起こし、急性白血病様の病態を示す。

キーワード:CML、NAP スコア、白血病裂孔、Ph 染色体、a-インターフェロン、急性転化
領域:一般
Taxonomy:想起
難易度:平易
必要度:重要

解説:慢性期の CML では、白血球のみならず赤血球、血小板もしばしば増加している。NAP スコアは低値で、他の骨髄増殖性疾患との鑑別点となる。a-インターフェロンによりPh 染色体の完全消失が認められる症例は20 % 程度である。
 
9. 慢性リンパ性白血病 (CLL) について正しいものはどれか。2つ選べ。
解答形式 X(2)正答 →
a欧米に比べて日本では発症頻度が高い。
b貧血、血小板減少の程度が予後と相関する。
cCD 3 が陽性を示すことが多い。
dt(14;18)の染色体異常を示すことが多い。
eフルダラビンが有効である。

キーワード:CLL、CD5、フルダラビン
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:中等
必要度:重要

解説:CLL は、欧米に比べて日本では発症頻度が低い。白血病細胞はB細胞抗原に加えてCD5陽性である。
t(14;18) の染色体異常を示すのは、濾胞性リンパ腫である。
 
10. 伝染性単核球症について正しいものはどれか。2つ選べ。
解答形式 X(2)正答 →
aしばしば肝機能障害を合併する。
bしばしばネフローゼ症候群を合併する。
cしばしば DIC を合併する。
d末梢血で B リンパ球が増加する。
e慢性化することはまれである。

領域:一般
キーワード:伝染性単核球症、B リンパ球
Taxonomy:想起型
難易度:中等
必要度:重要

解説:末梢血で増加する異型リンパ球は Tリンパ球である。
 
11. hairy cell leukemiaについて正しいものはどれか。2つ選べ。
解答形式 X(2)正答 →
a白血病細胞に毛髪様の突起を多数認める。
bしばしば多彩な皮膚病変を伴う。
c骨髄の繊維化、汎血球減少を認めることが多い。
d白血病細胞はアルカリホスファターゼ反応陽性である。
e抗癌剤への反応性が悪く予後不良である。

キーワード:hairy cell leukemia、汎血球減少
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:中等
必要度:中程度

解説:hairy cell leukemiaでは、酸ホスファターゼ反応が陽性である。多彩な皮膚病変を伴い、抗癌剤への反応性が悪く予後不良な疾患は、ATL である。
 
12. 多発性骨髄腫について正しいものはどれか。2 つ選べ。
解答形式 X(2)正答 →
a骨病変は、造骨性変化を伴うことが多い。
bBence Jones 蛋白は、免疫グロブリン L 鎖である。
c末期には、しばしば低カルシウム血症を合併する。
d原発性マクログロブリン血症は、しばしば過粘稠度症候群をきたす。
eM 蛋白以外の免疫グロブリンも増加することが多い。

キーワード:多発性骨髄腫、 Bence Jones 蛋白、高カルシウム血症、原発性マクログロブリン血症、過粘稠度症候群、M 蛋白
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:平易
必要性:重要

解説:骨病変は造骨性変化を欠くため、punched-out lesion となる。末期にはしばしば高カルシウム血症を合併する。M 蛋白以外の免疫グロブリンは減少する。
 
13. 正しいものはどれか。2つ選べ
解答形式 X(2)正答 →
aBurkitt リンパ腫はアフリカ特有の風土病であり、我が国での報告はない。
bS斯ary 細胞は、B 細胞である。
c菌状息肉症は、化学療法によく反応する比較的予後良好な疾患である。
d染色体分析は、悪性リンパ腫に対する治療法の選択に有用である。
eImmunoblastic lymphadenopathy (IBL) は、しばしば多クローン性高 g グロブリン血症を示す。

キーワード:Burkitt リンパ腫、S斯ary 症候群、菌状息肉症、染色体分析、IBL
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:中等
必要性:重要

解説:Burkitt リンパ腫は我が国でも認められる。S斯ary 細胞は T 細胞であり、菌状息肉症は化学療法に対する反応に乏しく、予後不良な疾患である。
 
14. 以下の合併症に対し、投与してもさしつかえない薬剤の組み合わせはどれか。
解答形式 A正答 →
aうつ病 ー α-インターフェロン
b心筋症 ー ダウノルビシン
c糖尿病 ー メソトレキセート
dイレウス ー ビンクリスチン
e胃潰瘍 ー プレドニゾロン

キーワード:抗癌剤、副作用
領域:一般
Taxonomy: 想起型
難易度:中等
必要性:重要

解説:α-インターフェロン、ダウノルビシン、メソトレキセート、ビンクリスチンの代表的な副作用は、それぞれうつ病、心毒性、粘膜障害、麻痺性イレウスである。
 
15.  誤りはどれか。2つ選べ。
解答形式 X(2)正答 →
a濾胞性リンパ腫では bcl2 が陽性のことが多い。
bHodgkin 細胞は CD30 陽性である。
cびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫では PML-RARA が陽性のことが多い。
dBurkitt リンパ腫では c-myc が陽性のことが多い。
eHodgkin 病では bcr-abl が陽性のことが多い。

キーワード:bcl2 、CD30、PML-RARA、c-myc、 bcr-abl
領域:一般
Taxonomy::想起型
必要性:中程度、
難易度:やや難

解説:PML-RARA は急性前骨髄球性白血病、bcr-ablは CML の他に、一部の ALL および AML で認められる遺伝子異常である。
 
16. 悪性リンパ腫について、誤りはどれか。
解答方式 A正答 →
a我が国では、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫の頻度が高い。
b皮膚のリンパ腫は、T 細胞性が多い。
c頸部リンパ節と鼠径部リンパ節腫脹があれば、臨床病期 II である。
dB 細胞性リンパ腫では、免疫グロブリン遺伝子の再構成が認められる。
eT 細胞リンパ腫では、T細胞レセプター遺伝子の再構成が認められる。

キーワード:悪性リンパ腫、免疫グロブリン遺伝子、T細胞レセプター遺伝子、臨床病期分類
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:平易
必要性:重要

解説:サザン法による免疫グロブリン遺伝子やT細胞レセプター遺伝子の遺伝子再構成の検出は、反応性リンパ球増殖と悪性リンパ腫の鑑別に有用である。頸部リンパ節と鼠径部リンパ節腫脹があれば、臨床病期 IIIである。
 
17. 血小板増加症について、正しいものはどれか。2つ選べ。
解答形式 X(2)正答 →
a二次性血小板増加症では、 血小板数が 100 万以上になることは少ない。
b血小板凝集能の異常は、本態性血小板血症より二次性血小板増加症で多く みられる。
c本態性血小板血症は、比較的若年者に多い。
d本態性血小板血症は主として血栓症をきたし、出血傾向を呈することはまれである。
e鉄欠乏性貧血は、しばしば血小板増加を示す。

キーワード:血小板増加症、本態性血小板血症、血小板凝集能
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:中等
必要性:重要

解説:本態性血小板血症は比較的高齢者に多く、しばしば血小板凝集能異常を示し、血栓症の他に出血傾向もみられる。
 
18. 原発性骨髄線維症について正しいものはどれか。2つ選べ。
解答形式 X(2)正答 →
a奇形赤血球がみられる。
b髄外造血は、主としてリンパ節でみられる。
c骨髄は穿刺不能 (dry tap) であることが多い。
d骨髄巨核球は減少傾向を示す。
e第一選択の治療法は、脾摘である。

キーワード:骨髄線維症、奇形赤血球、髄外造血、dry tap
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:平易
必要性:重要

解説:原発性骨髄線維症の髄外造血は、主に脾臓、肝臓で行われ、骨髄巨核球は増加傾向を示す。現病の予後に対して脾摘は無効である。
 
19. 造血幹細胞移植について、正しいものはどれか。
解答方式 A正答 →
a臍帯血移植の長所は、移植後血球の回復が速い点にある。
b白血病などの造血器腫瘍に対する自家移植は、同種移植よりも再発率が低い。
c急性 GVHD の主な標的臓器は、皮膚、肝臓、腎臓である。
dミニ移植とは、骨髄非破壊的な前処置による移植を意味する。
e肝静脈閉塞症 (VOD) は、移植後 3 カ月以後に発症することが多い。

キーワード:造血幹細胞移植、臍帯血移植、急性 GVHD 、ミニ移植、VOD
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:中等
必要性:重要

解説:臍帯血移植は移植後血球の回復が遅く、自家移植は移植後の再発率が高いことが欠点である。VOD は移植後早期(3 カ月以内)に発症することが多い。
 
20. 造血幹細胞移植の適応とならない疾患はどれか。2つ選べ。
解答形式 X(2)正答 →
a重症型再生不良性貧血
bt(8;21) を伴う急性骨髄性白血病(M2) 第一寛解期
c急性前骨髄球性白血病(M3) 第一寛解期
dPh 染色体陽性急性リンパ性白血病第一寛解期
e慢性期の慢性骨髄性白血病

キーワード:造血幹細胞移植の適応、t(8;21)、AMLM3、Ph 染色体
領域:一般
Taxonomy:問題解釈型
難易度:中等
必要性:中程度

解説:AML のうち、t(8;21) を伴うM2、 M3(ほとんどが t(15;17) 陽性)、inv(16) を伴うM4Eo(好酸球増加を伴う)は、比較的予後良好であるため、移植は再発後(第2寛解期)に行われるのが一般的である
 
21. 特発性血小板減少性紫斑病 (ITP) について誤りはどれか。2つ選べ。
解答形式 X(2)正答 →
a急性型は高齢者に多い。
bステロイドが無効の場合、脾摘を行う。
cGPIIb-IIIa に対する自己抗体が原因となっていることが多い。
d免疫グロブリン大量投与により、血小板が増加することが多い。
e血小板輸血により、血小板が増加することが多い。

キーワード:ITP、GPIIb-IIIa、免疫グロブリン大量療法
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:中等
必要性:重要

解説:急性型は若年者に多い。血小板破壊が亢進しているために、血小板輸血をしても通常血小板は増加しない。
 
22. 血小板凝集能の亢進がみられるものはどれか。
解答形式 A正答 →
a特発性血小板減少性紫斑病 (ITP)
bアスピリン投与後
cBernard-Soulier 症候群
d原発性血小板血症
e血小板無力症

キーワード:ITP、アスピリン、Bernard-Soulier 症候群、原発性血小板血症、血小板無力症
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:平易
必要性:中程度

解説:骨髄増殖性疾患では、しばしば血小板凝集能の亢進がみられる。
 
23. 血栓性血小板減少性紫斑病 (TTP) および溶血性尿毒症症候群 (HUS) について、正しいものはどれか。2つ選べ。
解答形式 X(2)正答 →
a血小板輸血が有効である。
b血漿交換が有効である。
c大腸菌 O157 感染に合併したHUS は、予後良好である。
d造血幹細胞移植に合併した TTP は、予後良好である。
eTTP ではしばしばvon Willebrand 因子メタロプロテアーゼ活性の低下を認める。

キーワード:TTP、HUS、大腸菌 O157 、von Willebrand 因子メタロプロテアーゼ
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:やや難
必要性:重

解説:血小板輸血は、さらに血栓の形成を助長するので一般的には禁忌である。大腸菌 O157 感染や造血幹細胞移植に合併した TTP は、予後不良である。TTP ではvon Willebrand 因子メタロプロテアーゼ活性の低下により、超巨大von Willebrand 因子が血中に存在し、これが血小板凝集を惹起する機序が注目されている。
 
24. von Willebrand 病について誤りはどれか。2つ選べ。
解答形式 X(2)正答 →
a伴性劣性遺伝形式をとる。
b出血時間が延長する。
cプロトロンビン時間(PT)が延長する。
d活性化部分トロンボプラスチン時間 (APTT) が延長する。
e軽症の出血に対し、デスモプレシン (DDAVP) が有効である。

キーワード:von Willebrand 病、出血時間、APTT、デスモプレシン(DDAVP)
領域:一般
Taxonomy:想起型
難易度:平易
必要性:重要

解説:von Willebrand 病は常染色体遺伝形式をとる。
 
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