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平成12年度卒業試験PAGE 1  [3]  
1.  23 才男性。右大腿部の腫脹、疼痛を訴えて来院した。
現病歴:前日の夜、飲酒後道路で転倒し右大腿部を打撲した。今朝起きてから同部の著しい腫脹に気づき、痛みも強くなったので来院した。2年前にも左下腿部に同様のことがあったという。
既往歴、家族歴:特記すべきことはない。
現症:体温 37.2 ーC、脈拍 70/分、血圧 140/70 mmHg。右大腿外側に腫脹、圧痛を認める他異常所見なし。
検査所見: Hb 12 g/dL、白血球 8000、血小板 40 万、出血時間 4分(基準1-5 分)、プロトロンビン時間(PT)13秒(基準 9-13)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT) 60 秒(基準 25-45)、フィブリノゲン 300 mg/dL(基準 150-400)、FDP 10 mg/mL(基準 10 以下)。超音波およびCT検査より、 右大腿部の腫脹は筋肉内血腫と考えられた。次に混合補正試験(正常血漿と緩衝液または患者血漿を1:1に混合し、37ーC 2時間インキュベーション後、PT およびAPTTを測定)を行ったところ、以下の結果を得た。

 PT(秒)APTT(秒)
正常11 30
患者1360
正常+緩衝液1450
正常+患者1245

上記の資料に基づき、問題1, 2 が次の a, b, c のいずれに該当するか判断せよ。

a正しい判断である。
b誤った判断である。
c正しいとも誤っているとも判断できない

問題1内因系凝固因子(XI、VIII、IX 因子)の活性低下が考えられる。
正答
問題1抗凝血素(凝固阻止因子、インヒビター)の存在が考えられる。
正答

2. 20 歳女性。2 年前健康診断で貧血を指摘され、鉄剤の内服を続けたが改善しないため受診した。眼瞼結膜に貧血、眼球結膜に黄疸を認め、脾を2横指触知した。赤血球 330 万、Hb 8 g/dl、Ht 26 %、網赤血球 60 * 、血清鉄 120 mg/dl( 基準 80-120)。 診断確定に有用でない検査はどれか。
解答方式 A正答 →
a赤血球形態観察
b骨髄穿刺
c頭蓋骨X 線撮影
dHb A、 A2、 F の測定
e上部消化管および注腸バリウム検査
 
3. 16 歳男性。1週間前に 38 ーC 台の発熱を伴う感冒様症状があり、近医で鎮痛解熱剤と抗生物質の投与を受けた。しかし2 日前から全身倦怠感が増強し、尿もコーラ色となったため受診した。赤血球300 万、Hb 9 g/dl、Ht 27 %、網赤血球 50 * 、白血球 6000、血小板 30 万。母方の叔父 2 人と兄弟3人(妹1人)のうち、兄が貧血と言われている。考えられる疾患はどれか。
解答形式 A正答 →
a発作性夜間血色素尿症( PNH )
bFanconi 貧血
cメトヘモグロビン血症
dグルコース-6-リン酸脱水素酵素( G6PD )異常症
eピルビン酸キナーゼ( PK )異常症
 
4.  60 歳男性。10 年前から糖尿病の治療を受けていたが、血糖のコントロールは不良であった。10 日前から重症肺炎(後に起因菌は肺炎球菌と判明)を合併し、ペニシリン系抗生剤を点滴静注したところ、2日前から黄疸が出現した。胸部 X 線ではまだ浸潤影が残存している。赤血球 330 万、Hb 10 g/dl、Ht 30 %、網赤血球 40 艨AT- bil 2.0 mg/dl、尿素窒素30 mg/dl 、クレアチニン 1.5 mg/dl、CRP 3.0 mg/dl( 基準 0.3 以下)。 
この貧血について正しいものはどれか。
解答形式 A正答 →
a血管内溶血が主体である。
bIgM に対する直接クームス試験が陽性である。
cまず赤血球輸血を行う。
dペニシリン系抗生剤からセフェム系抗生剤に変更する。
eペニシリン系抗生剤からクリンダマイシンに変更する。
 
5.  30 歳女性。39℃の発熱、血尿、歯肉出血を訴えて来院した。赤血球 310万、 Hb 9.0g/dl、Ht 28%、白血球13000、血小板
3.5万。末梢血塗沫染色を写真(1)に示す。考えられる疾患はどれか。2つ選べ。


解答形式  X(2)正答 →
a再生不良性貧血
b播種性血管内凝固症候群 (DIC)
cサラセミア
d血栓性血小板減少性紫班病 (TTP)
e特発性血小板減少性紫班病 (ITP)
 
6. 30 歳女性。早朝褐色尿、労作時息切れを主訴に来院した。 RBC182万、Hb7.0 g/dl、網赤血球120‰、WBC 2000、血小板5 万、LDH 2200 IU/l、T-Bil 3.0 mg/dl、Ham 試験および ショ糖試験陽性。 この疾患について正しいものを2つ選べ。
解答形式  X(2)正答 →
a好中球アルカリホスファターゼ値は、高値を示すことが多い。
b造血幹細胞の先天性異常が原因である。
c赤血球アセチルコリンエステラーゼ値は上昇する。
d感染症や血栓症を合併することがある。
eGPI-アンカー型蛋白である CD55、CD59 が欠損している。
 
7. 50 歳男性。労作時の息切れを主訴に入院した。2 年前に胸腺腫を摘出している。赤血球 280 万、Hb 8.0 g/dl、Ht25 %、網赤血球 1 ‰、白血球 4500、血小板 35万、フェリチン 220 ng/ml( 基準 30-400)。 考えられる疾患はどれか。
回答形式 A正答 →
a鉄芽球性貧血
b赤芽球癆
c遺伝性球状赤血球症
d自己免疫性溶血性貧血
e悪性貧血
 
8. 60 歳女性。3ヵ月前から全身倦怠感、労作時息切れがあった。赤血球 200万、Hb 7.7 g/dl、Ht 24 %、網赤血球2 ‰、白血球 4000、血小板 6万、血清鉄150 mg/dl( 基準 80-170 )、血清ビタミンB12  65 pg/ml(基準 300-1000)。
骨髄塗沫標本を写真(2)に示す。この疾患にみられない所見はどれか。2つ選べ。


解答方式 X(2) 正答 →
aクームス試験陽性
b位置覚、振動覚の低下
cRomberg 徴候
dハプトグロビン上昇
e舌乳頭萎縮( Hunter 舌炎 )
 
9. 17 歳男性。発熱、全身倦怠感、のどの痛みを主訴に受診。体温 39 。C、咽頭および口蓋扁桃の発赤、腫脹著明。頚部、腋下、鼠径部に1 cm までのリンパ節を多数触知。 右季肋下に肝臓を 2 cm 触知。ヘモグロビン 14 g/dl、白血球 10000(桿状核好中球5 %、分葉核好中球 20 %、好酸球 1 %、単球 14 %、リンパ球 60 % )、血小板 30 万。GOT(AST) 45IU/L( 基準 5-37 )、 GPT(ALT) 60 IU/L( 基準 6-43 )、ALP 400 IU/L( 基準 100-340)、LDH700 IU/L( 基準 280-510)、T-Bil 1.2 mg/dL( 基準 0.4-1.2) 、CRP 5.0 mg/dl(基準 0.3 以下 )。末梢血塗沫標本では、塩基好性で広い細胞質を持つリンパ球が目立った。
この症例について正しいものはどれか。2つ選べ。
解答形式 X(2)正答 →
aキスにより感染することがある。
b自然治癒傾向に乏しい。
c末梢血で増えているリンパ球は、T 細胞である。
dペニシリン系か、セフェム系抗生剤を投与する。
eアシクロビルを投与する。
 
10.  60 歳女性。腰痛のため2 週間前から近医で処方された消炎鎮痛剤を内服している。2 日前から全身倦怠感、発熱があり、本日39 。Cとなったため受診した。ヘモグロビン 12g/dl、白血球 2000(桿状核好中球 1 %、分葉核好中球 4 %、好酸球 1 %、単球 14 %、リンパ球 80 % )、血小板 30 万。
適切でない処置はどれか。
解答方式 A正答 →
a血液培養後、抗生剤を投与する。
b無菌室へ収容する。
c消炎鎮痛剤の内服中止
d顆粒球コロニー刺激因子( G-CSF ) の投与
eステロイドの投与
 
 11. 26歳の男性。1カ月前から発熱、歯肉出血があり来院した。Hb 7.4 g/dL、Ht22%、網赤血球 1‰、白血球 10000、血小板2 万。 骨髄塗沫標本を写真(3)に示す。考えられる疾患はどれか。


回答形式 A正答 →
a急性骨髄性白血病( M1 )
b急性骨髄性白血病( M2 )
c急性前骨髄球性白血病( M3 )
d急性骨髄単球性白血病( M4 )
e急性単球性白血病( M5 )
 
12. 52 歳の女性。1カ月前から易疲労感およびリンパ節腫大、発疹があり来院した。Hb 7.2 g/dL、白血球 3800、血小板 6万。末梢血塗沫標本を写真(4)に示す。この患者にみられる所見はどれか。 2つ選べ。

解答形式 X(2) 正答 →
a血清リゾチーム増加
b高カルシウム血症
cハプトグロビン上昇
dAuer 小体
e肝腫大
 
13.  25 歳の男性。発熱( 37.5 。C )、関節痛を主訴に来院。両側頚部に最大径1.5 cmまでのリンパ節を数個触知。ヘモグロビン7 g/dL、赤血球 230万、Ht 21% 、白血球 31000、血小板 4 万。 骨髄塗沫標本を写真(5)に示す。 誤りはどれか。


解答形式 X(2)正答 →
aビンクリスチンとプレドニゾロンが有効である。
bレチノイン酸が有効である。
cPh 染色体を有するものは予後が悪い。
d同胞間骨髄移植により治癒することが多い。
eしばしば肝脾腫が認められる。
 
14. 54 歳男性。労作時息切れ、めまいを主訴に来院。全身の表在リンパ節腫脹、眼瞼結膜に貧血を認めた。ヘモグロビン 8 g/dL、赤血球260 万、Ht 24 % 、白血球 27000(70 %が成熟リンパ球)、血小板 12 万 。骨髄有核細胞の 50 %は、 リンパ球であった。 誤りはどれか。
解答形式 A正答 →
a感染症による死亡が多い。
b日本人に比し、欧米人で頻度が高い。
cヘモグロビン値、血小板数が予後と相関する。
d強力な多剤併用化学療法が有効である。
eT 細胞型よりB 細胞型が多い。
 
15. 60 歳男性。2 年前健康診断で赤血球数の増加を指摘されたが放置していた。1 カ月前から微熱が続くため来院。身体所見では、顔面が赤い他に異常を認めず。Hb18 g/dL、白血球 8000、血小板 30 万、好中球アルカリホスファターゼ(NAP)スコア 200( 基準158-260 )、動脈血酸素飽和度 94%、血清エリスロポエチン値増加、循環赤血球量 38 ml/kg (基準28.5-30.9)。疑われる疾患はどれか。
解答方式 A正答 →
a真性赤血球増加症
bエリスロポエチン産生腫瘍
cGaisb喞k 症候群
d慢性骨髄性白血病
e慢性閉塞性肺疾患
 
16.  頚部リンパ節生検にて写真(6)のような病理像を得た。治療法として第一選択はどれか。


解答形式 A正答 →
a経過観察
b多剤化学療法
cガンマグロブリン大量療法
dステロイド剤単独投与
e血小板輸血
 
17. 40 歳女性。汎血球減少症の精査のため受診。骨髄検査を施行したところ吸引は容易であり、写真(7)のような細胞を多数認めた。疑われる基礎疾患はどれか。2つ選べ。


解答形式 X(2)正答 →
a再生不良性貧血
b特発性血小板減少性紫斑病
c骨髄線維症
d悪性リンパ腫
eウイルス感染症
 
18. 27 才女性。7年前にホジキン病に対し化学療法を施行後、最近まで寛解状態にあった。1 週間前から続く微熱を主訴に受診。骨髄塗沫標本を写真(8)に示す。



1) 染色体検査で認められる可能性の高い異常はどれか。2つ選べ。
解答形式 X(2)正答 →
a-5q
bt(9;11)
ct(9; 22)
dt(14; 18)
et(15; 17)


2) 第一選択の治療法はどれか。

解答形式 A正答 →
a同種骨髄移植
bステロイド投与
ca - インターフェロン投与
dレチノイン酸(ATRA)投与
e免疫グロブリン大量投与
 
19.  40 歳男性。慢性骨髄性白血病( CML ) に対し、非血縁者間同種骨髄移植を施行後3週目になって、体温が37 ーC 台から38-39ーC に上昇し、下痢も頻回( 2 L/日)となり、あらたに皮疹(丘疹および紅斑)と皮膚および眼球結膜の黄染が出現した。Hb 7g/dL、白血球1500、血小板 1 万、 T-Bil 2.5 mg/dL、GOT(AST) 50 IU/L( 基準 5-37 )、 GPT(ALT) 60 IU/L( 基準 6-43 )、ALP 450 IU/L( 基準 100-340)、LDH 700 IU/L( 基準 280-510)、gGTP 180 IU/L( 基準 0-75 )。

1). 次に行うべき検査はどれか。
解答形式 X(2)正答 →
a骨髄穿刺
b便培養
c皮膚生検
d大腸ファイバースコープおよび生検
e肝生検


2). 適切な治療法はどれか。2つ選べ。

解答形式 X(2)正答 →
aステロイド投与
bシクロスポリンの減量
cガンシクロビル投与
d血漿交換
eそれまで投与していた抗生剤および抗真菌剤の変更
 
20.  20歳女性。発熱と下腿の紫斑を主訴に来院。体温 38 ーC、傾眠傾向あり、 両側下腿に点状出血を多数認める。Hb 9g/dL、白血球6000、血小板 1 万、プロトロンビン時間(PT)12秒(基準 9-13)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT) 40秒(基準 25-45)、フィブリノゲン 300 mg/dL(基準 150-400)、FDP 15 mg/mL(基準 10 以下)、尿素窒素
40 mg/dl、クレアチニン 1.5 mg/dl。尿潜血反応(2+)。

1).次に行うべき検査はどれか。2つ選べ。
解答形式 X(2)正答 →
a赤血球形態観察
b骨髄穿刺および生検
c出血時間
d血小板凝集能
e腎生検


2). 最初に行う治療法として適切なものはどれか。2つ選べ。

解答形式 X(2)正答 →
a赤血球輸血
b血小板輸血
c新鮮凍結血漿の輸注
dヘパリン投与
e血漿交換

 
21.  16 歳女性。3 日前に抜歯したが、なかなか止まらないため受診した。幼小児期から鼻出血のため、耳鼻科でたびたび処置を受け、11 歳で初潮を迎えた時に、出血がひどく輸血を受けた。10歳の弟も鼻出血を繰り返していたと言う。赤血球 340万、Hb 8 g/dL、Ht24 %、白血球 5000/mL、血小板 40 万、出血時間 10 分(基準 1-5 分)、プロトロンビン時間(PT)12秒(基準9-13)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT) 40 秒(基準 25-45)、フィブリノゲン 300 mg/dL(基準150-400)、FDP 8 mg/mL(基準 10 以下)。血小板凝集能を行ったところ、リストセチン凝集はほぼ正常であるが、ADP、コラーゲン、エピネフリン添加では、凝集反応が著しく低下していた。
診断はどれか。
解答方式 A正答 →
aアレルギー性紫斑病( Henoch-Sch嗜lein 紫斑病)
b血小板無力症( Glanzmann's thrombasthenia )
cBernard-Soulier 症候群
dstorage pool 病
e血小板型 von Willebrand 病
 
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