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BSLでの学習 5年生用 
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1. なぜ出血傾向がみられるのか?
 出血傾向は、血小板、血管壁、または凝固線溶系の異常により、止血が困難であるか(血栓ができずらい)または、いったんできた血栓が脆弱な(血栓が溶解しやすい)ために生じる。 
2. 原因となる疾患、病態は?
 血小板または血管壁の異常と凝固線溶系の異常に2大別される。

1)血小板または血管壁の異常

原因として最も多いのは、血小板減少である( ITP、 急性白血病、骨髄異形成  症候群、再生不良性貧血、SLE、脾機能亢進症、薬剤など)。他の止血機構に  異常がなければ、血小板数が 2-3 x104/mL 以上あれば、日常生活で出血傾向  をきたすことはまずない。血小板機能異常症では先天性疾患(血小板無力症な  ど)はまれであり、後天性疾患が多い(尿毒症、骨髄増殖性疾患、M 蛋白血症、  アスピリンなどの薬剤投与)。血管壁の異常には、老人性紫斑病、単純性紫斑  病(若い女性に多い)、アレルギー性紫斑病、ステロイド長期投与などがある。

2)凝固線溶系蛋白の異常

原因として多い後天性疾患は、重症の肝疾患でみられる凝固因子産生低下、ヘ  パリン、ワーファリンなどの抗凝固剤投与、ビタミン K 欠乏症、凝固因子に対  する抗体(循環抗凝血素、インヒビター)、先天性疾患では、血友病、von   Willebrand 病などがあげられる。
 
3. 病歴聴取、身体所見のポイント
 まず出血の部位と重症度をみる(緊急輸血が必要か?)。局所的な出血だけの場合(片方だけの鼻出血など)は、出血傾向ではなく、局所の異常(炎症や術後の縫合不全など)を疑う。次に点状出血、深部出血(筋肉関節内出血)の有無を確認し、血小板または血管壁の異常か(点状出血が特徴的)、凝固線溶系蛋白の異常(深部出血が特徴的)か予測する。さらにいつから出血傾向がみられるのか、すなわち、急性出血(数日)なのか、慢性出血なのか(数週ー数カ月)? また先天性か後天
性かみきわめるために、他の親族に同じような出血傾向がみられないか確認する。
 
4. これからどういう検査をどういう手順でするのか?
 出血傾向に対するスクリーニング目的で最初に行う検査は、血算(血小板数)、凝固系( PT, APTT )で十分である(フローチャート参照)。これらに異常がない場合は、出血時間(延長していれば血小板機能異常が疑われるので血小板凝集能検査を行う)の他に、XIII 因子、a2-プラスミンインヒビター活性の測定を行う。DIC を疑う場合は、フィブリノーゲン、FDP、さらに D ダイマー、FM テスト、プラスミンーa2-プラスミンインヒビター複合体( PIC )、トロンビンーアンチトロンビン複合体( TAT )を測定する。また術前、または入院時一般検査で PT またはAPTT が延長しているのに出血傾向を認めない症例は、循環抗凝血素(インヒビター)を疑い、混合補正試験を行う。
 
5. 診断、鑑別診断は?
 病歴、身体所見、検査所見から総合して考える。まず頻度の高い疾患( common disease )から考えること!(図、出血性疾患の診断へのアプローチ参照) 
6. 治療はどうしたらよいか?
 血小板数1x104/mL 以下、1-3 x104/mL でも生命を脅かす重篤な出血(脳出血など)に対しては、直ちに血小板輸血を行う。また貧血が強ければ赤血球輸血を行う。凝固線溶系の異常が疑われるが、どの因子の異常か特定できない場合には、とりあえず凍結血漿を輸注し、減少している凝固因子が確定できたら、それぞれの凝固因子製剤を輸注する(血友病 A では、VIII 因子製剤など)。長期的な治療方針は、それぞれの疾患で異なる。 
7. 退院後の注意点( patient education )は?
 血小板凝集を抑制するアスピリンなどの消炎鎮痛剤は極力避ける。脳出血を避けるために、高血圧症の患者は血圧のコントロールを行い、頭部を打撲する危険性のあるスポーツを避け、職業についても指導する(可能なら職務内容の変更、ヘルメット着用など)。また、強い頭痛の他、血尿、血便、性器出血など(粘膜出血はしばしば頭骸内出血の予兆となる)がみられたら、直ちに来院するように指導する。 
   
1. なぜ脾腫がみられるのか?
 細胞浸潤、うっ血、代謝産物の蓄積により生じる。 
2. 原因となる疾患、病態は?
 原因としては、炎症、うっ血、血液疾患、代謝異常に分類される。炎症性疾患では、感染症(細菌性心内膜炎、敗血症、結核、腸チフス、梅毒、マラリアなど)、自己免疫疾患(SLE、Felty 症候群)、うっ血では、肝硬変、門脈血栓症、特発性門脈圧亢進症、うっ血性心不全、血液疾患では、白血病、骨髄増殖性疾患、溶血性
貧血、悪性貧血、サラセミアなど、代謝異常では、Gaucher 病、Niemann-Pick 病、アミロイドーシスなどがある。頻度的には肝硬変などの肝疾患によるものが多い。
 
3. 病歴聴取、身体所見のポイント
 軽度の脾腫では無症状であることが多いが、著しく腫大すると腹部膨満感や上腹部圧迫感が生じ、急速に腫大したり脾梗塞を合併すると、左季肋部の疼痛を生じる。左季肋下の腫瘤が脾臓であるか否かは、深吸気により腫瘤が臍の方へ動き、切痕を触れることにより鑑別される。
 表在リンパ節の腫脹を欠く場合は、うっ血性脾腫、代謝性疾患を考える。発熱は感染症、悪性リンパ腫などの血液疾患、自己免疫疾患でみられる。腹水は炎症、う
っ血、血液疾患でみられる。基礎疾患に特異的な症状、身体所見についても注意を払う必要がある。感染症ではそれぞれの局所症状および所見、肝疾患では黄疸、くも状血管腫、手掌紅斑、女性乳房など、自己免疫疾患では関節痛、発疹など、血液疾患では、貧血、出血傾向などに注意する。
 
4. これからどういう検査をどういう手順でするのか?
 まず脾腫が感染症、肝疾患、自己免疫疾患、血液疾患、代謝性疾患いずれによるものか当たりをつける必要がある。このために血算(しばしば脾機能亢進のため血球減少を伴う)、血液生化学検査(GOT、GPT、ALP、LDH、T-bil、alb、ch-E、CRPなど)、血清学的検査(HB抗原、HBおよびHCV抗体、トキソプラズマ抗体、EB ウイルス抗体、サイトメガロウイルス抗体、HIV 抗体、HTLV-I 抗体、膠原病を示唆する所見があれば、リウマチ因子、抗核抗体などの自己抗体)、血液培養などの細菌学的検査、画像検査(胸部および腹部X 線撮影、CT、腹部超音波、ガリウムシンチ)を行う。悪性リンパ腫の診断確定には、腫大した表在リンパ節の生検が不可欠である。これらの検査を精力的に行っても診断できない場合は、脾摘を行い、病理組織所見をみて診断する。 
5. 診断、鑑別診断は
 病歴、身体所見、検査所見より総合して考える。腫瘍性疾患か非腫瘍性疾患かみきわめることが重要である。
 
6. 治療はどうしたらよいか?
 原疾患により異なる。
 
7. 退院後の注意点( patient education )は?
 原疾患により異なる。 
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