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NK細胞は、Tリンパ球でもBリンパ球でもない第3のリンパ球です。生体内ではウイルス感染細胞をやっつけたり、腫瘍細胞をやっつけたりしています。医学的には、胞体にアズール顆粒を有する大型のリンパ球で、細胞表面のCD3抗原陰性CD56(またはCD16)抗原陽性、かつT細胞抗原レセプター(TCR)遺伝子が胚細胞型で再構成を認めない細胞です。
NK細胞腫瘍は、このように定義される成熟NK細胞や、それよりも未熟ないわゆる前駆NK細胞とよばれる細胞が単クローン性に増殖している疾患群の総称です。ただし正常NK細胞の分化の過程が十分解明されていないために、前駆NK細胞由来と考えられる腫瘍が真にNK細胞系列に由来するのか、あるいはどの分化段階のNK細胞の腫瘍化なのかはっきりしないことが多いのです。
NK細胞腫瘍は、NK前駆細胞由来の腫瘍と成熟NK細胞由来の腫瘍とに大別されます(表1)。NK前駆細胞由来の腫瘍と考えられるものには
- 1)骨髄/NK前駆細胞性白血病、
- 2)前駆NK細胞性急性リンパ性白血病、
- 3)芽球型NK細胞リンパ腫
があり、成熟NK細胞由来の腫瘍には
- アグレッシブNK細胞白血病/リンパ腫
- 鼻型NK細胞リンパ腫
- 慢性NK細胞増多症
があります。ただし慢性NK細胞増多症の症例の多くは、おそらく多クローン性(反応性)の増殖と思われます。
この分類はわれわれNK細胞腫瘍に興味を持つものが集まって作成した暫定分類で、最近発表された造血器腫瘍のWHO分類とは異なっています。
ここでは、1994年から1998年までの5年間に発症した症例について、われわれが提唱する暫定分類・診断基準に基づきNK腫瘍研究会が行った全国アンケート調査の結果(表2)をもとに解説します。 |
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表1 NK細胞由来の腫瘍の分類(NK腫瘍研究会による暫定分類)
(1)
| NK前駆細胞由来と考えられる腫瘍 |
| 1) |
myeloid/NK-cell
precursor acute leukemia(骨髄/NK前駆細胞性白血病) |
| 2) |
precursor
NK-cell ALL(前駆NK細胞性急性リンパ性白血病) |
| 3) |
blastic
NK-cell lymphoma(芽球型NK細胞リンパ腫) |
| 成 熟 NK細胞由来と考えられる腫瘍または増殖性疾患 |
| 1) |
aggressive
NK-cell leukemia/lymphoma(アグレッシブNK細胞白血病/リンパ腫) |
| 2) |
nasal-type
NK-cell lymphoma(鼻型NK細胞リンパ腫) |
| 3) |
chronic
NK lymphocytosis(慢性NK細胞増多症) |
表2 NK細胞腫瘍の臨床像
( 1994年から1998年までの5年間に発症した症例の、NK腫瘍研究会による全国アンケート調査結果)
| |
total |
male |
female |
age
(median) |
OS (mo) |
| www |
11 |
6 |
5 |
1-67 (39) |
22 |
| ALL |
21 |
15 |
6 |
0-79 (55) |
23 |
| blastic |
15 |
13 |
2 |
14-88 (47) |
20 |
| aggressive |
22 |
8 |
4 |
12-80 (41) |
1.3 |
| nasal-type |
149 |
94 |
55 |
3-89 (53) |
10 |
| chronic |
19 |
10 |
9 |
14-69 (55) |
96 |
ALL, precursor NK-cell acute lymphoblastic leukemia;
OS, overall survival;
mo, months. |
各NK細胞腫瘍の生存曲線