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悪性リンパ腫は、リンパ節など様々な組織に存在するリンパ球という細胞の腫瘍です。ほとんどすべてが固形腫瘍です。つまり、しこりが形成されます。リンパ節だけでなく、体のいたるところにできます。脳にも皮膚にも鼻にも胃にも骨にもできます。出来る場所によって、どのような種類のリンパ腫かがある程度予測できます。悪性リンパ腫は大きくホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫とに大別され、非ホジキンリンパ腫はさらにB細胞リンパ腫とT細胞リンパ腫、それにNK細胞リンパ腫に分類されます。それぞれのリンパ腫はさらに細かく分類されます。日本人ではホジキンリンパ腫の頻度が約5%で、残りが非ホジキンリンパ腫です。非ホジキンリンパ腫のうちの30%はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫で、この病気が最も多いです。 これらの悪性リンパ腫の診断は、腫瘍組織の生検により行われます。つまり、腫瘍のかたまりを取ってきて、それを顕微鏡で見たり、染色体や表面マーカー検査、遺伝子検査などを行って診断します。診断が確定しましたら、次は病気がどこまで広がっているかをCTとかPET検査で調べます。病変が広がっていればいるほど予後は悪くなります。 治療は、病変が限局していれば、まず4〜5種類の抗がん剤を用いて治療を行い、続いて放射線照射を行うというのが一般的です。病気が広がっていれば、抗がん剤だけで治療します。用いられる抗がん剤の種類とか量は、リンパ腫の種類や年齢、臓器の働きなどによって大きく異なります。予後が悪いことが予想される場合には、抗がん剤治療のあとに自家造血幹細胞移植を行うこともあります。この移植術は、自分が持っている造血幹細胞、つまり血液を造る能力がある細胞を採取してそれを保存しておき、大量の抗がん剤とか放射線を照射した後に自分の体に戻す方法です。骨髄中にある造血幹細胞をある種の方法で血液中へと動員し、これを採取するのです。凍らせて保存しておいた幹細胞は溶かした後に点滴で血管内に入れますと、幹細胞はやがて自分の住処を見つけて骨髄中へと入り込み、そこで増え始めるのです。増えるまで2週間ぐらいかかります。その間、白血球が低い状態が続きますので、感染症を起こさないように気をつける必要があります。 悪性リンパ腫に種類によっては、治る可能性が低いものもあります。こういうリンパ腫は幸いゆっくり進行することが多いので、何もしないで様子を見るとか、必要なときに治療を行うということもあります。逆に、激しい勢いで増えるリンパ腫は抗がん剤が効きやすく、一所懸命治療すると治ることが多いです。 近年、Bリンパ球を殺す抗CD20モノクロ−ナル抗体リツキシマブが盛んに使われるようになりました。この薬を他の抗がん剤と併用することで、B細胞リンパ腫の治療成績はかなり向上してきました。悪性リンパ腫の治療法にも大きな進歩が見られ、治るリンパ腫も増えてきました。
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