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当科は非血縁者間骨髄移植・採取認定施設です

順天堂大学 医学部附属 順天堂医院 血液内科


患者さまのための解説「顆粒リンパ球増多症に伴う赤芽球癆」

顆粒リンパ球増多症に伴う赤芽球癆

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 胞体(細胞質)内にアズール顆粒(細かい青色の顆粒)を有する顆粒リンパ球が末梢血で増えている疾患を顆粒リンパ球増多症と総称しています。表面マーカーからT細胞型とNK細胞型に分けられ、T細胞型では多くの例で赤芽球癆かそれに近い病態を呈します。赤芽球癆とは、赤血球系の造血だけが選択的に抑制される疾患の総称で、強い貧血が特徴です。顆粒リンパ球増多症は稀な疾患で、血液内科の医師でもあまり診る機会はありませんが、赤芽球癆による貧血が強く輸血を繰り返すことが多いことから、適切な診断と治療が要求されます。この病気をLGL白血病と呼ぶ先生もいますが、決して白血病ではありませんので、ご安心を。
 顆粒リンパ球増多症では軽度の白血球増加があり、白血球のほとんどを顆粒リンパ球が占め、好中球(白血球の1つで、細菌を食べる作用があります)の絶対的減少があります。貧血のある例が80%を占め、その70%は赤芽球癆かそれに近い状態で網赤血球(若い赤血球)は極端に減少しています。これらの患者さんのほとんどで、CD3+CD4-CD8+のキラーT細胞が増えています。遺伝子解析では、T細胞レセプター(TCR)遺伝子の単クローン性増殖を認めることが多いのです。軽度の白血球増加と好中球の減少、リンパ球の増加があれば本症を疑い、顕微鏡で胞体にアズール顆粒があるリンパ球の増加を認めれば(2,000/μL以上のことが多い)、診断は確定します。本症では、好中球の減少はあるが重篤な感染症を合併することは少なく、赤芽球癆かそれに近い病態のために輸血を繰り返す症例が多いのが特徴です。
 赤芽球癆を伴うT細胞型顆粒リンパ球増多症の治療は、キラーT細胞の数を減らすか、機能を抑えるかです。その結果、貧血も改善します。シクロホスファミドやシクロスポリン、メソトレキセート、アザチオプリン、プレドニゾロンなどが使われます。 
 まずシクロホスファミド100mgを経口で、連日、2週間使用し、その後は50mg程度に減量して、白血球数が2,000~3,000/μLになるように量を調節します。2ヶ月から4ヶ月続けますと、網赤血球が増え始め、貧血はなくなり、顆粒リンパ球も減少します。TCR遺伝子の再構成が消失したら、治療を終了します。半年から2年かかります。ただし、妊娠を希望する男女では卵巣機能不全、無精子症が起こることがあるため、この治療法は薦められません。
 最近経験した患者さんでは、2ヶ月で反応がないためにシクロスポリンに変更しましたが、悪心のため服用できなくなり、メソトレキセートを使用したところ、貧血は軽快しました。しかし、肝機能障害が出現したため、再度シクロホスファミドを用いたところ、貧血は出現することなく寛解状態が続いています。おそらく、2ヶ月でシクロホスファミドが無効と判断したのは早合点で、もう少し続けていれば有効だったものと思われます。
 シクロスポリンが有効との論文も多いです。確かにシクロホスファミド無効例でシクロスポリンが有効だったりしますが、私の経験ではシクロスポリン無効例でのシクロホスファミド有効例のほうが多いような印象を受けます。ただし、この印象はエビデンスのレベルとしては低いです。

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処方例 1

シクロホスファミド(エンドキサン)(50 mg)  2錠 1x 朝食後、2週間
その後 1錠 1x 朝食後 に減量して続けます(白血球数で量を調節、本文参照)

処方例 2

シクロスポリン(ネオーラル)(25 mg または50 mg)  5mg/kg、2x 朝夕食後、
血中トラフレベルが150~200 ng/dL になるように量を調節します。
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