本症の治療は、支持療法と原因療法に大別されます。前者は、主な臨床症状である貧血、好中球減少による感染症、血小板減少による出血に対して、それぞれ赤血球輸血、抗生物質やG-CSFの投与、血小板輸血を行うことです。これらの症状の発現を予防することも大切です。例えば、感染症を起こす可能性のある齲歯や痔の処置、便秘に対する軟下剤の使用、軟らかい歯ブラシの使用、血小板機能を抑制する解熱鎮痛剤の使用禁止とかがあげられます。
原因療法としては、二次性の場合は原因の除去であることは言うまでもありません。特発性、二次性のいずれの場合も、治療法は蛋白同化ホルモン、免疫抑制療法、骨髄移植、サイトカイン療法です。重症度により治療法は異なります。軽症では経過観察のみか蛋白同化ホルモンを使い、中等症ではまず後述するATGを用います。重症では、45歳未満なら同胞のHLAを検査して、HLA一致同胞がいれば骨髄移植を行い、いなければ免疫抑制療法を行います。45歳以上のときは、免疫抑制療法が第1選択となります。
治療目標は完全寛解にあります。骨髄移植が成功すれば完全寛解が得られます。しかし、免疫抑制療法では血球の回復が不十分のことが多く、しかも発作性夜間血色素尿症(PNH)や骨髄異形成症候群、急性白血病を起こしてくる可能性もあります。
重症の再生不良性貧血が骨髄移植の適応となります。欧米諸国に比べてわが国の骨髄移植の治療成績が優れていることと上述した免疫抑制療法後の白血病等の発生を考えると、45歳以下でHLAの一致した同胞がいれば、積極的に骨髄移植を行うのが望ましいでしょう。
HLAの一致した同胞が見つからないときの非血縁ドナーからの移植については、最近骨髄移植推進財団からその成績が公表されました。これによると、10歳以下では非血縁ドナーからの移植は積極的に薦められそうですが、それ以上の年齢だとまだ自信を持って薦められるというほどではありません。